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takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

ドイツ、リニアモーターカー実験線での衝突事故、死傷者は33名

車両・鉄道事故

2006年(平成18年)9月22日、ドイツ北西部、ラーテン(Lathen)で、リニアモーターカーの実験線で29名を乗せた車両が、軌道上にいた保守車両と衝突し、23名の死者と10名の負傷者を出した。運行管制センターの運行オペレータが、軌道上の異物を確認する保守車両が走行軌道上から退避する前に、リニアモーターカー車両を発車させてしまったためである。また、事故以前にリニアの運営会社側は、保守車両に安全対策を取るよう提案していた現場の声も無視していた。 

経過

2006年9月22日午前9時30分ごろ、ドイツのオランダ国境近くラーテンにあるリニアモーターカー「トランス ラピッド」の実験線(DoerpenとLathen間31.8km)で、地元の見学者やトランスラピッド運行会社の従業員ら乗客計29名を乗せたリニアモーターカーが、ラーテン出発後約1km地点を約200km/hで走行していた。ところが、モノレールの軌道上にいる筈のない保守車両(毎朝、軌道上の異物の有無などの点検を行う。2名の軌道保守点検作業員が乗車)が前方に現れ、そのまま衝突した。3両編成のトランスラピッドの車両は先頭車両が保守車両の後部にめり込み大破、トランスピッドの車体と保守車両の破片は高架下に飛び散った。

この事故で23名の死者と10名(内2名は点検作業員)の負傷者がでた。

事故直後、運行会社のIABGのスポークスマンは、この事故の原因は「技術的欠陥」でなく「ヒューマンエラー」と述べた。 

原因

  1. 「トランス ラピッド」の運行オペレータの確認ミス
  2. 保守車両にはGPSが搭載されており、運行管制センターの運行オペレータは、モニターで軌道上の保守車両の存在を知ることができるが、「トランスラピッド」を発車させてしまった。
  3. 保守車両がリニアモーターカー走行軌道上にいる場合の自動停止システム(上記人的ミスのカバーのため)がなかった。
  4. リニアを運行していたIABG社は数年前、現場から「保守車両にも安全対策を施すべきだ」との提案を受けながら、衝突防止装置など安全策を実施しなかった。同社は「監督官庁である州に認めてもらえなかった」と釈明した。
  5. 実験線ということで、運行管理の安全面に甘さがあった。
  6. また、保守車両の作業員は、リニアモーターカーが走行を開始することを知ることが出来なかったようである。それはリニアモーターカーと運行運行管制センター間の通信システムと作業員の通信システムが異なっていたからである(一部の報道より)。 

//// ここまでは、失敗知識データベースから省略・加筆して転載しました。

 

ニュースでこの事故のことを聞いたときは、「何てバカな事故なんだろう」と思いました。時速400キロ/hで走るリニアの走行実験を行っている線路上に保守車両があった何て「ヒューマンエラー」の一言で済ませられる事故ではありません。この事故は、リニアモーターカーでは世界初の事故になりましたが、ドイツでは未だに営業運転の目処が立っていません(この事故が原因と言う訳ではありませんけど)。

ちなみに、上海リニアモーターカーは、このトランス ラピッドを中国がドイツから購入したものです。上記事故が発生する1ヶ月ほど前の2006年8月11日、営業運転中に火災事故を発生させています。

日本でも東京オリンピック開催に合わせて、リニア新幹線の開業を前倒ししようとする動きがあるようですが、長大なトンネル工事がありますから、それは無理でしょう。そもそも、日本に来たことがない外国人に見せるなら既存の新幹線で十分です。東京駅での折り返し時間は、最短で12分。乗り降りに5分程度使いますから、係の人達は、7分で車内清掃を終了させ客に「お待たせしました」と言って車外へ出ます。個人的には、あのサービスだけで自慢して良いと思います。