takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

身近な転落事故

私が管理している工場には、40名弱の従業員がいる。その中の1人が、先日、日曜日の夜に階段から転落し腰椎を骨折した。年齢は、私よりも少し上で50代半ば。手術は無事に終ったが、まだ自分で呼吸ができないほどの重傷である。後遺症も残るということなので会社に復帰できるかどうかも分らない。現在、集中治療室に入っており、会社の仲間は見舞いに行くこともできないが、少しでも早く治り軽い後遺症で済むことを願うだけである。

彼が先週の金曜日仕事が終って帰る時は、何時もの明るい笑顔で「お先に失礼します」と言って帰宅した。その人が僅か2日後に人生が変わってしまった。事故は本当に怖いし、家族も悲しませることになる。

とは言え、階段の転落事故は多い。

日本転倒事故防止協会(こんな協会があることご存知でしたか?)の資料によると、毎年およそ2000人から3000人が亡くなっている。勿論、ほとんどは高齢者、若い人では女性が多く、その原因はハイヒール。命を賭けてもスタイルを良く見せたいと思うのが女性の本能なのだろうか。

死亡者数に関しては、近年増加傾向だがそれは高齢者の人数が増えているからだと思う。しかし、2015年の死亡者数は4000人に達すると予測されており、それが確かなら何の対策も立てないのはどうかしている。何もしないなら、何のために防止協会を作ったのか教えて欲しい。

協会のサイトには、ごあいさつとして以下の文が挙げられている。

このたび「日本転倒事故防止協会」がNPO法人として認可され、ここにスタートいたしました。 「NPO法人日本転倒事故防止協会」の前身は、2007年に認可された「NPO法人東京テンダーハートクラブ」です。 このネットワークを中核に、このたび新たに多くの立派なメンバーを向かえ、これまで展開してきたさまざまな社会貢献をさらに活発に展開していきたいと考えております。

転倒事故による不慮の死亡事故は、2006年には4000名もの方々がお亡くなりになっており、その数は年々増加しております。 また転倒事故は滑った本人の責任だろうと思われているのが現状であります。 障害者やお年寄りなどの、社会弱者はもちろん、誰もが転倒事故のない、安全・安心で快適に暮らすことのできる街づくりを実現していきたいと考えております。

特定非営利活動法人 日本転倒事故防止協会
理事長 武田 春樹

 資料の数字とあいさつの数字に違いがあるのは気になる。しかし、今後しばらくの間毎年120人づつ転落による死亡者が増えると言うのなら、対策を取らないのは馬鹿げている。