takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

函館と北海道について考える-3

3-人口減少と新幹線

 

北海道の人口は前々回書いたとおり、2013年(平成25年)6月時点で545万人、しかし、これも僅か3年前の2010年(平成22年)には551万人(10月1日、国勢調査)だった。それでも、都道府県単位では全国8位である(7位は、兵庫県558万人、9位は福岡県507万人・2010年時点)。

一方、1平方キロメートル当たりの人口密度は他都府県に比べて極めて低い。これも、前述したが、北海道の人口密度は、65.3人/平方キロメートルである。都道府県別人口では、全国最下位の鳥取県(59万人・2010年)でも人口密度は、165人/平方キロメートルである。ちなみに、1位の東京は、6,060人/平方キロメートルと北海道のおよそ93倍である。

さらに、日本は既に総人口減少時代に突入している。その中で、都道府県別人口の1位東京から9位福岡まで上位9都府県では、2006年から2010年まで逆に人口が増加している。ただし、8位の北海道だけは2006年563万人から、2010年551万人、2013年545万人(推計値)と着実に人口は減っているのだ。

一方、現在開発が進められている北海道新幹線は、2016年に青森~新函館間が営業運転を開始予定、さらに2035年には札幌までの全線が開通となる。しかし、その頃の北海道の人口は450万人まで減少すると予測されており、どの程度の人数が新幹線を利用するのか予測ができないようだ。楽観視している政治家は、「北海道の水産品や農産物を運べば良い」と地元で話しているらしい。しかし、新幹線は時速260キロ以上(予定では300キロ以上)の速度で走行するのであり、そんな速度で走れる貨物列車はない。貨物を運ぶのであれば、2035年の開通までに、時速300キロの走行に耐えられる新型貨物を開発し製造しなければならない。まあ、川崎重工は喜ぶかもしれないが北海道の人達は喜ばないだろう。もっとも、客車の座席を取り払って貨物を運ぶ方法もある。その場合、高級なメロンはグリーン車に入れて、ジャガイモやニンジンは普通車両に入れるのが良いだろう。

そんな、無駄なことは止めた方が良いと思う方もいるはずだが、線路の方は既に工事が終了しているところもあり、今更どうにもならないようだ。

ところで、人口が減少している北海道だが、今のところ札幌市だけは殆ど減少していない、むしろ微増していると言っても良い。

札幌市の人口は、190万人を突破した2009年5月時点では2015年の約192万人をピークに減少すると言われていた。しかし190万人突破以降は人口増加数が持ち直しており、2年程で192万人を超えている。さらに、2012年11月1日時点ではじめて193万人を超えた。北海道全体で、人口が減少している自治体が多い中、札幌市はそれと例外的に、現在でも僅かながら人口増加が続いている数少ない自治体の一つである(つまり、札幌に人が流入している)。しかし、それでも国立社会保障・人口問題研究所が2013年3月に発表した将来の人口推計によると、2025年には189万人、2040年には171万人に減少ると予測されている。