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takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

ボツリオコッカス・ブラウニーとオーランチオキトリウム

バイオ燃料を合成できる、藻類の名前である。ただし、その合成原理は異なる。

 

1.

先ず、ボツリオコッカス・ブラウニー(学名:Botryococcus braunii )だが、これは、光合成によって炭化水素(石油の類)を精製することで注目される緑藻の1種。生物学的には、まだよく分かっていないことも多く、生物分類学上も研究者によって諸説ある。

 

注目される特性

バイオ燃料と言うと海外では、トウモロコシ、日本では木材の廃材が研究されている。トウモロコシの方は、米国、ブラジルで実用化されていると言って良い。ただし、まだ石油と本当に勝負できている訳ではない。補助金が投入されているからだ。また、品種改良されているとはいえ、食料になるものを燃やして車を走らせるということに対して批判も多い。しかし、上記藻類は、元々食料ではない。そのため、食糧問題は避けることができる。また、生産できる油の量が桁違いに多い。1ヘクタール(100m×100m = 10,000平方メートル)あたりで作り出せる油の量は、トウモロコシ0.2トン、アブラナ(菜種)1.2トン、アブラヤシが6トン程度と言われている。しかし、このボツリオコッカス・ブラウニーは、年間118トンと20~600倍である。

現在は、筑波大が大がかりな実験施設を作り屋外で培養実験を行っている。

 

2.

次に、オーランチオキトリウム(学名:Aurantiochytrium)だが、これは、葉緑体を持たず光合成をしない従属栄養生物であり、周囲の有機物を吸収して生育する。日頃、短音節の単語に慣れている日本人には長すぎる名前で覚えにくいかもしれないが、合成語ではないのでオーランチオキトリウムと覚えるしかない。光合成を行わないので、水中の有機物上に小さな細胞集団を作る。炭化水素を高効率で生成・蓄積する種(株)があることを日本人研究者が発見し注目された。

 

注目される特性

最初に紹介した、ボツリオコッカス・ブラウニーと同じ温度条件で培養した場合、10~12倍の量の炭化水素が得られる。培養することで、1リットルあたり1グラムのスクアレンを3日で作り出すことができ、仮に深さ1mの水槽で培養したとすると、面積1ヘクタールあたり年間最大約1万トンの炭化水素を作り出せると試算されている。日本の石油消費量は、年間約2億トン(ガソリン~重油まで)、つまり、2万ヘクタールの培養面積で日本の年間石油消費量を賄えるということになる。なにしろ、耕作放棄地だけで38.6万ヘクタールもあるのだ。

火力発電に使用する場合は、精製を行なうことなく、培養したものをペレットに成形するだけで使用できる。

 

現在、渡邉信・彼谷邦光らの筑波大研究チームでは、生活排水中の有機物を食べさせる実験を行っている。また、二酸化炭素をボトリオコッカスに食べさせ、出てきた余剰有機物をオーランチオキトリウムの餌に使うという2段構成の実験も行っている。日本で必要とされる量を賄う規模で培養するとなると、計算上では餌となる有機物(廃棄されているが、一箇所に纏まっていない)が足りないため、イモや藻類由来のデンプンや生ごみを利用する計画もあるらしい。

また、日立総合計画研究所でも、詳しく紹介されている