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takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

ポリプロピレン製造装置において漏洩した、へプタンの火災と昨日に続き「摂氏温度」

工場・施設の事故 科学技術

1989年(平成元年)7月26日、千葉県 市原市の化学工場で、ポリプロピレン製造装置の溶剤回収工程溶剤スクラバーで火災が起こった。

溶剤スクラバーのローカルタイプの塔底流量計が詰まり気味のため工事を行うことになった。工事着工前の確認作業として、流量計ドレン弁を開けたところ、へプタンの流出が見られた。閉止している流量計の入口弁が完全に閉まっていないと判断した。ドレン弁を開けたまま入口弁を閉めようとしたが、逆にヘプタンが多く流出した。入口弁のハンドルを元に戻し、ドレン弁を閉めようとしたが、その前にヘプタンに着火し、火災となった。火災発生と同時に、緊急シャットダウンシステムが作動し、当該装置は緊急停止した。

 

経過

溶剤スクラバーのローカルタイプの塔底流量計が詰まり気味のため工事を依頼した。

1987年7月26日04:00 工事準備を実施した。

07:45 交替勤務番の交替のため、交替番間の引継ぎを行った。

08:25 流量計の入口弁を閉めた。流量計ブロックのドレン弁を開けた。

 ドレン弁からへプタンの流出が見られたので、閉止している入口弁が完全にしまっていないと判断した。

 ドレン弁を開けたまま入口弁を閉めようとしたが、逆にヘプタンが多く流出した。

08:30 火災が発生した。入口弁閉止はあきらめた。

08:30 火災発生と同時に、緊急シャットダウンシステムにより、当該装置は緊急停止した。

08:48 災害対策本部を設立し、防災活動を開始した。

09:00 公設消防の指揮下に入った。

09:29 装置に窒素ガスの導入を開始した。

10:00 鎮火を確認した。

 

原因

1.入口弁のハンドルのストッパーが変形していたため、弁を閉止しようとハンドルを回したときハンドルが正しい位置に止まらなかったため、ヘプタンの流出がとまらず、逆に流量が増える結果となった。

2.流出したヘプタンの着火原因は静電気と推定されている。

 

背景

1.上流にある流量計の入口弁を操作するときは、ドレン弁を閉止しておかなければならないが、手順を間違ったために火災に発展した。バルブ操作の基本についての教育が不十分であったと思われる。

2.運転中はどんな場合にせよ、意図的なドレン切り作業以外は、ドレン弁を開放したままで他の作業を行うことは禁止である。

直接損害額4,500万円

 

//// ここまでは、失敗知識データベースから省略・加筆して転載した。

 

朝の出来事、たった2時間15分の間で4,500万円の物損である。もっとも、人的被害が出るよりは遙かにましと言うこともできる。

化学プラントは、常日頃の保守作業が全てと言って良い。自分たちで保守点検を行うことで、異常箇所や危険箇所を見つける、あるいは、何が危険なのかを知る。なにしろ、「こうなったら危ない」と言うことが分ってないと、とんでもない作業ミスから大事故が発生する。

と、いうことで、それほどの事故ではない?ので以下は昨日の続き。今度は、摂氏温度。

 

 

セルシウス度

現在、日本でふつうに使われている温度の単位は、セルシウス度である。これは「 °C 」という単位で表示する。夏場は、毎日天気予報で耳にするから知らない人はいないと思う。摂氏温度は、華氏温度を元に作られている。摂氏温度の基準は、標準大気の元での水の凝固点と沸点である。この2つの温度を正確に測定するために使用されたのは、華氏温度計である。摂氏温度計の目盛りは、水の凝固点と沸点の間を100等分しているため、分かり易い、そのため、後から出て来た摂氏温度計が世界標準として使用されるようになった。現在のように、ISOみたいな団体は存在しなかったが、華氏温度が提唱されたのは、1724年、摂氏温度が提唱されたのは、1742年と18年遅れて世の中に出て来たものである。

 

華氏温度の名前でも説明したように、摂氏も案者のアンデルス セルシウスにちなんでいる。セルシウスの中国音訳「攝爾修斯」の最初の1文字を取ったものだ。それと、華氏で説明し忘れたが、この「氏」は日本語で人を名前を表記する場合普通に使用されている、「氏」のこと。例えば、「匠 習作氏」とか、「池上 彰氏(ファンなので)」で使われている「氏」である。アンデス セルシウス(1701年11月27日 - 1744年4月25日)は、スウェーデンの天文学者、オーロラの観測や地球の子午線測量でも有名な学者である。

 

上で説明したとおり、彼は、水の凝固点と沸点を100等分して目盛りを作った。ただし、最初は凝固点が100度、沸点が0度と現在の逆に製作されている。さらに、セルシウスは、1742年に温度計を完成・発表してから2年後には亡くなってしまった。だが、同時代を生きた同じスウェーデンの科学者、カール リンネが温度計に改良を加え現在の形つまり凝固点が0度、沸点が100度のセルシウス温度計となった。

 

ところで、温度を表記する場合接頭語は使用してはいけないことになっている。例えば。「1000℃」を「1K℃」と書いてはいけない。また、体温を言うとき「37度2分で、微熱です」などと言う人は多いと思うが、「何分」と言う言い方は定義されていない。だから、科学的に正確さを求めるのであれば「37度2分」と言わずに「37.2℃」と言う必要がある(誰も、求めないだろうけど)。

最後に、摂氏と華氏の変換を行う場合の公式。

摂氏温度から華氏温度を求める場合 : F = 1.8C + 32

華氏温度から摂氏温度を求める場合 : C = 5/9 (F - 32)