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takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

エチレン製造装置において緊急停止後の再稼働による爆発事故と再び太陽光発電は無理

工場・施設の事故

事例概要

1973年7月7日、出光石油化学徳山工場エチレンプラント内のアセチレン水添部で爆発、火災が起こった。誤作業の影響での緊急停止後の再立ち上げで、水素注入量の制御にミスがあり、過剰の水素が注入され、エチレンも水添されたため、高温になり、さらに、発熱反応が加速されてエチレンの分解反応に至った。。エチレン1200kgの爆発によって非常に大きなファイアボール(直径60m、継続時間5秒)を生じた。

 

事象

出光石油化学徳山工場エチレンプラントで緊急停止状態となった。その後すぐに再稼働したが、アセチレン水添塔が高温になり出口配管が破裂し、漏洩ガスにより火災が起こった。鎮火するまで83時間燃えていた。非常に大きなファイアボールを生じた。また、この事故により同工場の作業者1名が亡くなった。

 

経過

1. エチレン製造装置で計器用空気配管のバルブを誤って閉にした。そのため同装置は緊急停止作業に入った。

2. バルブを閉めた運転員はフレアスタックから大きな火が出ていることから誤操作に気付き、同バルブを開に戻した。

3. 停止操作から数分後に再立ち上げ作業に入った。

4. エチレン中の微量アセチレンを水添除去する部門でも再立ち上げに入ったが、計器操作員が温度が高いことに気が付いた。また、水添塔への水素バルブが完全にしまっていないことに気付き、閉めた。

5. 水添塔の温度を低下させるためエチレンを導入した。水添塔内の異常高温と接触しエチレンが分解を始め、その温度上昇により水添塔出口配管が破裂し、漏洩ガスが火災を起こした。

 

原因

誤操作による計器用空気線バルブの閉止により、全ての関連計器がフェイリャーポジションになり装置は緊急停止になった。アセチレン水添塔も運転停止になったが、すぐに計器用空気が回復し、再立ち上げを行った。再立ち上げ時の判断ミス及び水素調節弁の不良のため、水素の流入、停止が繰り返された。その結果、エチレンの水添反応が起こり反応器内が高温になったことから、エチレン自身の分解反応に進行し、塔内が高温高圧になった。そのため、出口配管が開孔し、エチレンが噴出し、火災を起こした。

 

「フェイリャーポジション(failure position): 計器用空気が停止した時に、全ての計器は装置の安全を図るため安全に停止できる位置が予め設定されている。その設定位置をいう。」

 

//// ここまでは、失敗知識データベースから省略・加筆して転載した。

 

40年前の事故であり、一般にはあまり知られていないが、直径50メートルを越える火の玉が5秒も持続したという有名な事故であり、出光興産では忘れられない事故になっていると言う話である。しかし、まあ、出光のサイトでは、この事故に関する記事は見つからなかった。現在の安全装置では、このようなことは起こらないはずだから敢えてサイトで公表することもないと考えたのだろうか。それでも、出光のサイトは、楽しめますから是非ご覧下さい。特にCSRが面白い。

 

本来なら、ここで引用した上記事故に関することを書くべきだが、太陽光発電に関する面白い記事を見つけたので、話を移す。また、downierさんのブログ「ちょっとそこまで-斥候隊」で、弊ブログのことを取上げて下さったので、エネルギーに関して少し触れておきたい、上記の出光興産だってエネルギー産業の大手である。

 日経新聞の記事は7月4日のもの。

進まない発電所建設

太陽光大国として知られるドイツの累積導入量は3288万kW(2013年2月)。日本も設備認定の量なら、わずか8カ月でその3分の1に到達したことになる。これは多くの関係者の事前の予測を大きく上回る。

 

 問題はこれだけ大量の設備認定が実際の発電にどれだけつながるかだ。FIT施行後の状況を見ると、非住宅用太陽光発電で設備認定を取得した合計出力と実際に発電を開始した量には大きな開きがある。

 

[左]太陽光発電所の建設計画が全国で大量に発生している。写真は、福岡県で3月から発電を始めた国内最大のメガソーラー。芝浦グループが福岡県みやま市に建設した。出力は2万3000kWで、31万m2の敷地に7万5000枚のパネルを敷いた
[右]非住宅用太陽光発電の累積設備認定量と運転出力の推移。2012年7月から各月末時点の累積量。経産省による速報発表時点の数値をグラフ化した(運転出力は2012年12月に同省によって下方修正されている)

 

[左]太陽光発電所の建設計画が全国で大量に発生している。写真は、福岡県で3月から発電を始めた国内最大のメガソーラー。芝浦グループが福岡県みやま市に建設した。出力は2万3000kWで、31万m2の敷地に7万5000枚のパネルを敷いた

[右]非住宅用太陽光発電の累積設備認定量と運転出力の推移。2012年7月から各月末時点の累積量。経産省による速報発表時点の数値をグラフ化した(運転出力は2012年12月に同省によって下方修正されている)

 

記事中のグラフは、概ね予想通りだが、これは私だけの予測ではなく、知り合いの某太陽電池パネルメーカのエンジニアもほぼ同じ予想をしていた。エネルギー問題のジャーナリスト石川憲二氏も同じようなことを書いている、ようするに東アジアモンスーン地域で太陽光発電は無理なのだ。

何度でも書くけれど、再生エネルギーで現在上手く行っているのは水力だけであり、今後、上手く行く可能性があるのは地熱(高温岩体)発電だけである。太陽光発電、太陽熱発電、風力発電は現在のところ経済的には全く無理だと言って良い。そもそも、一般家庭に1Kw20円程度で売る電気を「太陽光の場合、2013年3月までに2つの手続きが済めば、建設や発電の開始時期にかかわらず、1kWh当たり42円(税込み)で20年間の買い取りが保証」して、その負担はどうするつもりなのだろう。

お金のことは気にしないで良い、安全とクリーンがなにより大切というつもりならそれでも良いかもしれない。しかし、ほとんどの人はそうは行かないはずだ。経済性を無視して産業活動を行えば必ずどこはで破綻する。その時、被害を被るのは未来の世代である。持続可能性とは、資源の問題だけではない、借金で持続してもそれは一時的な持続でしかない。個人も社会も国家も同じである。