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takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

原子力発電あれこれ・「原子の力」と言うけれど

ここで、原子力の利用についてもう少し考えておきたい。

今回参考にしたのは、「原子力百科事典-ATOMICA」というサイト。大変便利で詳しく掲載されているので、原子力発電や核エネルギーに興味がある方は、ぜひご覧頂きたい。

 

ウランの核分裂反応で放出されるエネルギーは、ウラン原子一つあたり約 200 MeV。これを一般的なエネルギー単位であるジュール (J) に換算すると 3.2×10^-11 J となる。

また、1グラムのウラン235の中には、2.56×10^21(10の21乗)個の原子核がある。

つまり、ウラン235が1グラムあれば、

8.2×10^10J(10の10乗ジュール)の熱エネルギーが得られる。

これが、ガソリン1グラムであれば、

5.0×10^4J(つまり5万J=50kJ)の熱エネルギーしかない。

6桁の違いがある、言い換えるとおおよそ100万倍。

そのため、出力100万KWの原子力発電所であっても、燃料となるウラン235は、1日わずか3キログラムで良い。

 

しかし、ここから先の利用方法は同じ。

つまり、どちらもお湯を沸かすだけである。ただし、熱エネルギーを電気エネルギーに変換する場合、その変換効率に違いがある。原子力なら33%しか電気にできないが、石油や天然ガスはコンバインド・サイクルで発電できるから50%を越える変換効率となっている。

(コンバインド・サイクルとは、燃焼させた熱いガスで発電機のタービンを回し、さらにその熱いガスでお湯を沸かしてその蒸気でもう一度タービンを回す方式、要するに一粒で二度美味しいと言うもの)

私達人類は、まだ、原子核のエネルギーを直接電気に変換する方法を知らない。何時の日か、核エネルギーを直接電気に変換できるようになるかもしれないが、現在のところ、ただ、お湯を沸かすための燃料として使っているに過ぎない。

これは、原子力潜水艦や原子力空母も同じである。

嘉永6年(1853年)にマシュー・ペリー代将が率いるアメリカ合衆国海軍・東インド艦隊の艦船(黒船)が、江戸湾浦賀(神奈川県横須賀市浦賀)沖に来航した。日本に来航した時の「黒船」は石炭を燃やして蒸気を発生させて船を動かした。

この後、船は重油を燃焼させて蒸気を発生するようになり、さらに燃焼エネルギーから直接動力を取り出す石油エンジンへと変化を遂げた。それが、原子力船は、再び蒸気タービンへと戻っているのだ。

もちろん、原子力の場合は、酸素がいらないとか、燃料補給がいらない等の違いはある。しかし、熱でお湯を沸かしその時発生する蒸気で船が動くという原理は、黒船も原子力潜水艦も同じである。私は、これを知った学生時代少し驚いたことを覚えている。

今回は、表題のとおり、「あれこれ」と話しが移ったが「原子力とはそんなものなのか」と理解して頂ければ幸いである。