takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

3・11以前に、福島第一原子力発電所2号炉緊急自動停止

2010年(平成22年)6月17日、 東京電力福島第一原子力発電所において、2号炉が緊急自動停止した。制御板補修工事にミスがあり、常用系電源と非常用電源(常用系から供給されている)から外部電源に切り替わらなかったことが原因である。そのため、冷却系ファンの停止を招き、緊急自動停止(トリップ)した。電源停止により水位が2m低下し、燃料棒露出まで40cm(単純計算で6分)であった。しかし、緊急自動停止の30分後に非常用ディーゼル発電機2台が動作し水位は回復した。

2011・3・11の9ヶ月前にシミュレーションのような事故が発生していた。これは、つい最近までしらなかったが、共同ニュースサイトで見つけたものである。

以下、ニュースサイトの記事 ////

 


 東京電力福島第1原発。(左から)4号機、3号機、2号機、1号機=08年10月、福島県大熊町

 

 東京電力福島第1原発2号機(沸騰水型軽水炉、福島県大熊町)が17日、運転中に自動停止、その際に原子炉の水位が通常より約2メートル低下、緊急炉心冷却装置(ECCS)が稼働する寸前だったことが分かった。放射性物質の漏れなどはなく、周辺に影響はないという。

 軽水炉は、燃料棒が高熱で損傷しないように水で冷却しており、冷却水喪失事故などの場合に一気に注水するECCSを備えている。

 東電によると、17日午後3時ごろ、2号機の原子炉に制御棒が挿入され自動停止、同時に原子炉に給水するポンプも停止し水位が低下した。あと40センチ低下するとECCSが稼働する設定だったという。自動的に非常用ディーゼル発電機が稼働、代替ポンプが起動して水位は回復した。

 東電によると、通常、原子炉が自動停止すると内部電源が停止するため、外部電源に切り替わるが、何らかの原因で切り替えがうまくいかなかった。

 

 原子炉の自動停止は、2号機のタービン建屋で発電機周辺の機器に不具合が発生したとみられ、回路の遮断器が作動して発電機が停止。発電機に連結するタービンも止まり、原子炉に制御棒が自動挿入した。約10分後に原子炉が未臨界状態となったという。

 

//// ここまで ////

(ニュース記事は元がなくなってしまうため、基本的にコピーすることにしている)

 

こんな、分りやすい事故?(故障?)が発生していたのに、なぜ、手を打っておかなかったのだろう。あるいは、逆に「自動的に非常用ディーゼル発電機が稼働、代替ポンプが起動して水位は回復した」のだから何があっても大丈夫と考えたのだろうか。

上記記事中の「ECCS」とは、「Emergency Core Cooling System」つまり、非常用炉心冷却装置のこと。水を冷却材として用いる原子炉の炉心で冷却水の喪失が起こった場合に動作する工学的安全装置である。これが、動作するということは、原子炉が停止するということである。日本国内では、1991年(平成3年)2月9日に関西電力美浜発電所2号機でECCSが稼働する事態となっている。しかし、このECCSも電源がなければ動かない。本質安全で考えるのなら、原子炉、使用済み燃料格納プールは海面より低い位置に設置するべきだと思う。それなら、最後の最後は、手動で水門を開いて海水を入れることもできる。これは、私だけの意見ではなく多くの方々が指摘している。もっとも、建設費用は2倍近く増えるらしい。

 

昨日は、会社の仕事で緊急事態(非常事態ではない)があり、ブログの更新ができなかった。自分を律するために、「明日は〇〇について書く」と書いているが余り役立たないようである。