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takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

管用起爆薬を製造中に爆発事故・原因のジアゾジニトロフェノールは第5類危険物

工場・施設の事故

2002年(平成14年)06月12日、宮崎県延岡市の化学工場で、爆発事故が起こった。工場では、事故当時、電気雷管用起爆薬を製造するため原料を乾燥させ造粒中であった。

 

原因は二つ考えられた。乾燥機の部品にヒビが入っていて、そこから侵入した起爆薬が摩擦などで発火したものが爆ごうに転移したというもの。もう一つは、鉄さびの混入で摩擦感度が増大したために、造粒工程で発火・燃焼したものが爆ごうに転移したと言うもの。

結局、どちらが原因なのかは分からなかった。しかし、どちらにせよ、経年劣化した設備の日常点検の問題か、異物の混入であり、設備管理、運転管理に問題を含んでいたものと考えられる。設備は大破したが、幸いなことに死傷者はなかった。

 

二つの原因を考える

1.造粒機下部の乾燥機に、接着剤で装着していた分離板のひびから侵入したジアゾジニトロフェノールが、衝撃・摩擦を受けて発火、燃焼し、爆ごうに転移した。

2.造粒機内のジアゾジニトロフェノールに鉄さびが混入し、摩擦感度が増大したため、造粒工程でジアゾジニトロフェノールが発火、燃焼し、爆ごうに転移した。

 

対策

1.設備面

 (1) 造粒機下部の分離板の改造。張付から乾燥機との一体型として、火薬類が侵入し難く、清掃点検が確実に実施できるものにする。

 (2) 鉄さびを発生させ、混入する部品類の材質・構造をゴムの一体物とし、鉄さびの発生・混入を防止する。

 (3) 異物落下・混入防止板を設け、火薬類に異物が入らないようにする。

2.管理面

 (1) 日常点検や定期点検の充実を行う。

 (2) 発火・爆発の原因となる侵入薬および異物混入の発生防止の重要性の再教育をする。

背景

この事故以前には、事故を起こしていない装置だったため、運転管理における経年劣化に対する問題意識が少しおろそかになっていた可能性がある。また、鉄さびはいろいろなプロセスで、分解などを促進させて事故に繋がっていることが報告されている。起爆薬の様に、起爆感度の大きい物質に対する管理に、経年劣化への対応同様に十分な配慮がなされていなかった可能性がある。

 

//// ここまでは、失敗知識データベースから省略・加筆して転載した。

 

ジアゾジニトロフェノール 、略称DDNPはジアゾ化合物に分類される化学物質である。これも、危険物の分類では第5類の自己反応性物質である。自身の中に酸素を含むため、一般的に消火は困難であり、発火源があると、すぐに燃焼から爆発に移る。

日本では工業雷管や電気雷管の起爆薬として用いられている。起爆薬用には流動性に富む粒状のものが,点火薬用には細い結晶状のものが用いられる。

要するに、爆薬であり危険物なのでそれなりの注意を払って取り扱う必要がある。こういった危険物を扱う装置のメンテナンスを怠るのは自殺行為でしかない。

しかし、上記で爆発原因となった、ジ・アゾ・ジ・ニトロ・フェノールは乙5類の危険物取扱者試験でもあまり出題されない。5類なら過酸化ベンゾイルやニトロセルロースの方がはるかに有名と言うか出題頻度は高い。ただし、過去にこんな問題も出題されている。

 問題・ジアゾジニトロフェノールの性状について,次のうち誤つているものはどれか。

(1) 黄色の粉末である。

(2) 光により変色する。

(3) 水に容易に溶ける。

(4) 加熱すると、爆発的に分解する。

(5) 摩擦や衝撃により、容易に爆発する。

 

第5類の危険物は、水に溶けないものが多いと覚えておけば解答は容易である。

この問題であれば、(4)と(5)は誤っていないとすぐ分る、全ての5類危険物に対して、加熱、摩擦、衝撃は不可だと言って良い。(1)(2)(3)では、もし、知らない名称の危険物だったとしても、水には溶けないと考えればほぼ正解である。

また、5類のうち半分くらいの物質は光で変色する。

 

13日、14日は気候変動について書く。