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takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

地球気候変動のメカニズム・1

6月11日は、特に書くべき事故・災害は見当たらない、そこで、今回は地球温暖化について少し書いておきたい(何回かに分けて)。この問題も技術士試験に良く出るので受験される方は参考にして欲しい。ただし、答案論文で「温暖化は間違いだ」と書くのは止めた方が良い。温暖化懐疑論が色々あるのは承知しているが、どうも懐疑論の方が分が悪い。私自身は、地球の気候は人類起源のGHG(Green House Gas)が原因で平均的に暖まっていると考えている。ただ、未だ気候のメカニズムには未解明の部分もあり、予想はあまり当てにならないだろうとも考えている。

 

先ず、日経新聞、6月9日の記事を省略して紹介する。

 

//// ここから ////

 

ラニーニャ多発なぜ 熱帯の海異変、猛暑・厳冬に (編集委員 安藤淳

2013/6/9 3:30

 

ラニーニャになると太平洋東部赤道域の海面水温が平年よりも低く西部赤道域は高くなる。最近では2010年夏~11年春に発生、10年夏の記録的な猛暑や同年末から11年1月にかけての大雪・寒波の一因になった。その前も07年春から約1年間、ラニーニャが続いた。

 ラニーニャと、逆に太平洋東部赤道域が平年より高く西部赤道域は低いエルニーニョは数年間隔で交互に起きるというのが通説だ。しかし、海洋研究開発機構アプリケーションラボの山形俊男所長は「最近10年ほどはラニーニャが起きやすくなっている」と指摘する。

 ラニーニャやエルニーニョの発生は太平洋赤道域の海面水温の観測値をもとに判断する。実際には海はつながっており、赤道域の水温の変動には太平洋全体の変動が大きく関与している。

 さらに遠く大西洋の状態も、大気との熱のやりとりや風を通して太平洋赤道域の水温に影響することがわかってきた。

 

■ラニーニャ現象

 ペルー沖など太平洋熱帯域の東部の海面水温が平年より低く、西部では高めになる現象。逆の場合をエルニーニョと呼ぶ。赤道沿いの複数の監視海域の観測から発生の有無を判断する。大気の流れの変化とも密接に関連し、まとめて「エルニーニョ南方振動(ENSO)」とも呼ばれる。

 ラニーニャが冬に起きると日本には強い寒気が流入、豪雪に見舞われることが多い。夏なら太平洋高気圧が強まり猛暑になりやすい。ラニーニャが続く時には世界の平均気温は低めになるとされる。最近はラニーニャやエルニーニョに似ているが典型的なパターンとは異なる「もどき」も観測されている。

 

//// ここまで ////

 

最初に述べなければならないことは、ラニーニャもエルニィーニョも特別な現象ではないということである。マスコミは、すぐに読者を煽る記事を載せる。しかし、海水温が上がったり、下がったりするのは昔から常に発生している現象であり、別に珍しいものではない。また、日経は別の記事で「ラニーニャもどき現象」にも言及している、しかし、これは観測精度が上がって少しのズレも検知できるようになったからだろう。なにしろ、今は海水温を宇宙から人工衛星を使って観測できる。一寸前までは、バケツで海の水を汲んで直接温度を測定していたのである。同じになるはずがない。

 

最近の100年(1906年~2005年)で、地球大気の平均気温は0.74℃±0.18℃上昇した。これは、観測事実であり誤差の取り方は異なる場合もあるが、間違いないと言ってよい。また、その原因はGHGであることも間違いないだろう(確率は、90%程度と言われている)。

しかし、地球温暖化のメカニズムはまだ未解明の部分も多く、マスコミが犯人を捜して騒ぎ立てるほど簡単なものではない。

 

例えば、ハワイのマウナ・ロア山にある有名なマウナ・ロア観測所(MLO)では、局所的な大気変動の影響を受けにくい高い標高を生かして、温室効果ガスなどの変化を長期的に観測している。特に1957年から測定している、二酸化炭素濃度の長期的な計測は有名であり、そのグラフはキーリング曲線と呼ばれる。先日、直近のCO2濃度が発表になり、CO2濃度は遂に400ppmを越えたということである。

しかし、地球の大気温度は、西暦2000年を越えた頃からあまり上昇していない。また、南極では、温暖化が進むと降雨量が増え、南極の氷床はむしろ増加すると予測されていた。だが、これも間違いだった。人工衛星からの調査でも、南極沿岸からの調査でもほぼ間違いなく南極の氷床は減少している。ようするに、我々人間の知らないメカニズムがまだあるということである。

 

マスコミには、知らせる義務があるらしいから、すぐに因果関係を探り出し発表しなければならないと考えているのかもしれない。しかし、何でもすぐに原因や仕組みが分かる訳ではない。分からないものは、分からないと言うことが科学技術に対して誠実な態度だと思う。

 

続きは、13日から書く。