試験に出るかもしれない?技術士機械部門キーワード解説・6
キーワードを書いていて思うことがある。これまで書いてきた情報は、本、ネットを探せば直ぐに見つかるようなものばかりである。最初に書いたが、このキーワードを暗記しても技術士試験対策にはならない。ほとんど効果は無いと言って良い。大事なのは、自分で理解して文章にすることなのだ。今回、文章の長さを無理矢理200~250字で纏めたが、今、読み返すと矢張り無理がある。そこは、読んだ人が試験勉強と思って自分の言葉で書き直して欲しい。それがそのまま、論文試験の回答練習になるだろう。言い換えると、ここで書いたキーワードは、試験に出るかも知れないし、出ないかも知れない、しかし、キーワードを上手く纏めるように書いた文章力、説得力は論文試験で必ず試される能力である。
1-工程能力指数
工程能力指数は、Cpkと呼ばれ、製造工程の特性値(寸法、材料特性、電気特性など)の、平均値 μと標準偏差(ばらつき) σ、さらに合否の基準となる規格の上限USLと下限LSLの数値から、目標値への近さとバラツキを表す指数である。
計算式は、
Cpk = [上限規格USL-平均値 μ / 3σ , 平均値 μ-下限規格LSL / 3σ]
(見にくいと思うが、公差の上限からデータの平均値を引いて、σの3倍で割る)
上の[ ]内の計算結果が小さい方の値がCpkとなる。
一言で言えば、標準偏差σの3倍と比較して、どれだけ余裕があるかということ。
2-故障率曲線
グラフの縦軸に故障率をとり、横軸に期間(時間)をとって、故障率を打点すると、その形状はバスタブの断面のような曲線となる。 一般に、この曲線は、その形状から、浴槽曲線(バスタブカーブ)と呼ばれる。
通常、カーブの下降部分、平坦部分、上昇部分をそれぞれ初期故障期間、偶発故障期間、摩耗故障期間と呼び、時間の経過と故障の性質の違いを分けて考える際に使用される。
3-光触媒
触媒は「それ自身は変化することなく化学反応を促進する物質」と定義されている。光触媒は、光があたると触媒になる物質のこと。現在知られている光触媒は、酸化チタンだけである。酸化チタン光触媒は紫外光を吸収したとき、大きく分けて2つの機能を発現する。(1)強い酸化還元作用、これは、主に有害物質の分解に用いられている。(2)超親水作用、これは、主に外壁などのセルフクリーニングに用いられている。ビルの外壁などは、この作用を使用することでクリーニング費用を削減できる。
4-コンカレント・エンジニアリング
コンカレントエンジニアリングは、CAD/CAE/PDMなどのシステムを通じてデータの共有・共用を行いながら、設計や製造、品質保証などの部門が並行して作業を進める手法である。例えば意匠デザインと構造解析、強度計算などを同時並行して作業することで、製品品質の向上と同時に開発期間の劇的な短縮を目指す。現在は、さらに進んで営業部門や購買部門も巻き込んだコンカレント・エンジニアリングも行われている。逆に、設計・製造・販売のプロセスを順に行っていく手法をシーケンス・エンジニアリングという。