takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

試験に出るかもしれない?技術士機械部門キーワード解説・3

数式が上手く入れられないため、取りあえず数式を使用しないキーワードを説明する。しかし、本年度からの択一試験では計算問題をマスターすることは非常に重要である。択一試験は、20問出題され15問選んで解答する。合格ラインは、60%だから15問中9問正解する必要がある。20問の問題の中で6~8問は計算問題だと思う。そして、過去問を調べる限り(一次試験を含む)計算問題は、30種類程度しかない。また、殆どの計算問題は公式を当てはめるだけで正解にたどり着くことができる。これを狙わないのは、デメリットの方が多い。似たような公式を含めて30種類しかないのだから、過去問を調べて公式の丸暗記をお薦めする。

今回は、設計に関するキーワードから5つを選んだ。

 

1-バリアフリーデザイン

障害者を含む高齢者等の社会生活弱者が、社会生活に参加する上で生活の支障となる物理的な障害や、精神的な障壁を取り除くための施策の設計。若しくは具体的に障害を取り除いた事物。

グローバルでは、英語の「アクセシビリティ」(accessibility)の方が認知度は高い。「バリアフリー」(barrier free)は建物の段差を取り除くことなどのみを示す認知度の低い用語である。

 

2-ユニバーサルデザイン

ロナルド・メイスが1985年に公式に提唱した概念。「できるだけ多くの人が利用可能であるようなデザインにすること」が基本コンセプトである。デザイン対象を障害者に限定していない点が、一般に言われる「バリアフリー」とは異なる。

具体的には、以下のようなデザインである。

「安全」に配慮された自動ドア、エレベータ、ホームドアなど障害者向けの開発から劇的に一般に普及した典型である温水洗浄便座トイレや浴室で使用する「インテリアバー(Interior Bar)」など外国人などのために、文字の代わりに絵文字(ピクトグラム)を使っての各種表示を行う

 

3-ロバスト設計

「品質を安定させるには、 設計段階で 外乱 に強い設計をすべきである。」 という考え方を、ロバスト(頑強な)設計と言う。ロバスト設計の実現に必要なのが、あらかじめ重要因子を把握し、制御することである。このための実験手順や数理が開発されてきた。

ロバスト設計は、ある意味理想の設計である。 品質工学 はロバスト設計目指しているが、ロバストにするための方法も、ロバスト性の評価方法も、絶対的なものはない。コストとのバランスをどこで取るかが重要になる。

 

4-安全性工学

安全性に関する問題は開発の後期になって発見されるほど、その対策には困難さが増すうえ,時間と費用がより多くかかる。そのため、主として設計段階で製品に安全性を組み込む必要がある。安全性確保のため安全性工学と呼ばれる技術が用いられるが、その骨子となる安全性解析の代表的手法が、FMEA(既出)やFTA(フォルトツリーアナリシス)、ETA(イベントツリーアナリシス)である。

 

5-田口メソッド

タグチメソッドとは、品質特性のばらつきが少ない製品を、開発・設計及び工程設計段階で作りこむための、工学的、統計的手法であり、品質工学ともよばれ、田口玄一博士によって開発された手法である。

タグチメソッドは、はじめに品質のばらつきを減らし、その上で目標値にあわせこむという順で最適値を求めていく手法である。