takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

試験に出るかもしれない?技術士機械部門キーワード解説・2

1-フィードバック制御システム

制御システムの一つ。出力された結果を入力側に戻し、出力値が狙い通りになるように入力値を調整するシステム。例えば、旋盤のような工作機械の場合、バイトが加工物を削ることで削る方向とは反対側に加工物から押し戻される。そのズレを入力側にもどし、押し戻された分だけさらに強く削る側に位置を戻す。一般的に普及している、工作機械の場合、これを1ミクロン単位で制御している。1ミクロンの反発があると、1ミクロン戻して正常な位置に戻すことになる。

 

2-閉ループ

別名クローズドループ制御、反対語は開ループ。出力された値を検出しそれを制御装置にフィードバックするのが閉ループ。開ループは、フィードバックを取らない。

入力された値は、通常何らかの影響を受けて理論値とズレて出力される。それを、検出して入力側を調整する。モータで動く工作機械などは、位置のズレを光学式スケールで測定しズレを制御装置に戻す。フィードバック制御システムの代表的な形として理解すれば良い。

 

3-ゲイン余裕・位相余裕

これは、位相余裕と対で理解すると良いので、纏める。

位相が-180度のとき、ゲインが0dBから何dBあるかを示したものがゲイン余裕となる。言い換えると、位相角が –180°(モジュロ 360°) の周波数でループ ゲインを 1 にするのに必要なゲイン増減量である。

反対に、ゲインが0dBのとき,位相が-180度から何度あるかを示したものが位相余裕となる。

ゲインが0dBよりも大きい時、位相がマイナス側になると入力と出力が逆相になり、フィードバックした時に発振してしまう。そうなるとシステムは不安定になるから、そうなるまでの余裕がどれくらいあるかを考えるための指標と理解して良い。

-180度の時にゲインが0dBまでどれだけあるかを見るのが、ゲイン余裕。位相余裕は、ゲインが0dBの時180度までどれだけ余裕があるかを見るためのもの。

一般的には、3dB以上のゲインを、30~60度の位相と組みあわせると安定的なシステムとなる。