takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

鹿児島線での列車追突事故

2002年(平成14年)2月22日 21時30分頃、福岡県宗像市JR九州鹿児島本線海老津 - 教育大前駅間で列車の追突事故が発生した。門司港発荒尾行き下り普通列車がイノシシに衝突し状況確認で停止中、無閉塞運転で進行してきた後続の門司港発荒木行き下り快速列車が追突し、134名が重軽傷を負った。

後続の快速列車の運転士は、停止信号を確認して駅間で停車し1分後に規定通りに15km/h以下での無閉塞運転を開始した。その際に先行の普通列車に対して現示された中継信号機の進行現示を、自列車に対するものと誤認してしまった。そのため、無閉塞運転中の15km/h超過禁止規則に反して加速し、カーブの奥で停車していた先行列車に直前で気付いて非常ブレーキを扱ったが間に合わなかった。先行列車と指令との交信内容はトンネルなどのため後続車には届いてなかったとされている。

直接の事故原因は運転士のミスである。そのミスを発生させた対策として中継信号を誤認しやすい信号機の移設。また、無線の通じない区間の存在と、運転士の判断だけで前進が可能な運転規則について、JR東海の類似事故の教訓が生きていないことの2つが大臣や国会議員から指摘された。このため国土交通省鉄道局の指示により、運転士の判断で無閉塞運転を行っている28事業者は、同年5月までに通信手段の確保を待って「運転指令の指示を受け、無閉塞運転を開始する」方式に変更した。なお、JR東日本では「閉塞指示運転」と呼ぶ。また、通達上は「無閉塞運転」開始方法の自主的改善を各社が行った扱いとなっている。

また、破損状況の調査結果(全車両の両端部分がまんべんなく破損しており、結果として全車両が廃車となった)から、衝突時の車両の安全性向上に関する取組みの強化が指示された。

予備知識

無閉塞運転は、長時間停車による旅客サービス低下防止の方法としては非常に有効である。しかし、1997年の東海道線列車追突事故や上記、2002年の鹿児島線列車追突事故で、無閉塞運転時に中継信号機の進行現示を誤認して加速してしまうという、安全性に関する問題が浮上した。

無閉塞運転は「1閉塞1区間」原則の例外となる重要な判断である割には、一運転士単独による判断および運行である。また確認すべき作業も通常運転よりも増えるものであり、判断ミスによって発生する危険は重大なものである。そのため事故の連続発生を教訓として、多くの鉄道事業者は次の閉塞指示運転に移行している。

 

ここまでは、ウィキペディアから省略・加筆して転載した////

 

鉄道は、事故の少ない交通機関の一つである。死傷者数で言えば、近づく列車に飛び込んで自殺する人の方が多い。また、施設や車両、その他の設備で使用している様々な構成要素(部品)の品質管理も徹底している。来歴の記録などもPCの無い時代から実に良く管理されていた。もっとも、一度、見学させて貰っただけなので外部の人間に見せるところだけ整然としているのかもしれない。しかし、あれだけ管理されているから事故が少ないのだと思う。

上記「鹿児島本線」の事故は、ヒューマンエラーである。また、エラーに繋がりやすい運行方法がその真因である。その運行方法は、上記の通り「通信手段の確保を待って、運転指令の指示を受け、無閉塞運転を開始する」ことになった。つまり、現場の判断に任せないで司令室の判断が優先するということである。