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takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

国内史上最悪の鉄道事故

1940年(昭和15年)1月29日に、大阪府大阪市此花区の鉄道省西成線(現在のJR西日本桜島線)安治川口駅構内において列車脱線転覆火災事故が発生した。

駅員の分岐器切り替えの不正操作により、列車通過中に分岐器を転換したため、気動車(ガソリン動車)列車を含む、3両編成のうちの最後尾の1両が2対のレールにまたがったまま進行し、同駅構内の島屋町踏切付近の構築物に衝突して脱線・転覆。燃料のガソリンへの引火により火災が発生し、脱出困難などの悪条件が重なったことから、死者189名、重軽傷者69名(死者191名、重軽傷者82名の説もある)を出す大惨事になった。

西成線は、大阪駅から臨海部を結ぶ路線であったため、昭和の初めごろまで閑散路線であったが、日中戦争以降軍需産業が発達し、沿線に多数の工場が建設され、通勤客が激増していた。翌年には電化が決定していたが、輸送能力は限界に近づいており、単線区間もあったため運転本数を増やすことができず、朝夕のラッシュ時には乗車率が300パーセント以上に達していたという。

列車が遅延すると余計に石炭を消費するため、焦った信号掛が早く線路を空けようとして十分な確認を怠り、列車が駅構内の分岐器を通過し終わる前に分岐器を転換した。この重大な操作規定違反のため、最後部の1両が2対の線路にまたがったまま走行した後脱線し、構内踏切付近の電柱に衝突して転覆した。その衝撃により、燃料タンクから漏れ出したガソリンが、車体とバラストとの摩擦による火花、もしくは電気配線のショートによる火花で引火し車体が炎上した。なおガソリンタンクが破損した原因は転覆によるものではなく、脱線時に車輪が敷石に乗りあげた時に動力を車輪に伝達する継ぎ手(プロペラシャフト)が接触したためである。これは満員の乗客の重みで車体が沈み込んでいたため、接触したものであった。そのうえ折り悪く大阪湾から吹く西風にあおられ、瞬く間に火勢が強くなり全焼した。

現在に至るまで、日本の鉄道事故において、正確に記録されたものとしては史上最悪の死者数を出した事故である。

 

//// ここまでは、ウィキペディアから省略・加筆して転載した。

 

戦前の話しとは言え、お粗末過ぎる事故原因である。信号係りの駅員2名は起訴され、同年10月9日に大阪地方裁判所で共に業務上汽車転覆致死罪で禁錮2年(1年6ヶ月の説もある)が確定している。現場の信号係り2名を、9ヶ月の裁判で有罪にして終了させているのも驚きである。今なら、こうはならない。列車の火災事故と言うと、お隣の国、韓国の大邱地下鉄放火事件は最近と言って良いだろう(それでも、10年前)。2003年2月18日朝、大韓民国大邱広域市で発生した放火が原因の事故である。192人が死亡、148人が負傷する大惨事となった。ラーメン屋で昼食を食べている時に、ニュースで見たことを覚えている。初めは、国内の事故かと思っていたら韓国での事故だった。

地下構内やトンネルの中での火災事故は、逃げるところが無く大勢の犠牲者が出る可能性が高い。そのため、安全確認や安全装置も厳重に管理・整備されている。また、人のミスが事故に繋がらないように、フェイルセーフの考えに基づいて設計もされている。大まかに言うと、何かあると安全側に停止するようにできている。列車を運行させることよりも安全を重視した考えであり、交通機関はそれが普通と言って良い。もっとも、飛行機の場合は、空中で止めることはできないから常にフェイルセーフにはできない。目的地の空港に問題がある場合は、目的地へ行かず引き返すか、他の空港へ着陸するということはあるが、これは、フェイルセーフとは言えない。そのため、飛行機の場合は、冗長性を持たせる(フォールトトレラント)、故障しないようにに作る(フォールトアボイダンス)等の考えで設計されれいる。

しかし、西成線や大邱地下鉄放火事件の場合は、故意に起こされた事故・事件であり、設計思想だけで防止することは難しいだろう。石炭がもったいないから列車が通過し終わる前に分岐器を転換した。あるいは、自殺願望の男が飲料用ペットボトルの中からガソリンを振り撒いて放火し火災となった、などは設計時点で対処することは難しいと思う(そのため、過去の事故事例研究は重要)。