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takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

製造物責任法について

大きな事故ではないが、製造物責任法の説明につながり易い事故が発生しているため、ここに載せる。

//// 以下、消費者庁・消費生活用製品の重大製品事故に係る公表から////

事故発生日、平成23年1月24日。国産メーカ製の樹脂製湯たんぽに、熱湯を入れ蓋をして湯たんぽカバーに入れようとしたところ、当該製品から熱湯がこぼれ火傷を負ったというものである。調査の結果、当該製品の本体側面の溶着部に溶着不良があったため、繰り返し使用により溶着部に生じた亀裂が伸展して当該製品本体が破損し、破損部から熱湯が漏れて事故に至ったものと考えられる。

////// ここまで //////

製造物責任法は、平成6年7月1日に施行された。製造物責任という用語に相当する英語の(product liability)から、PL法と呼ばれている。と、言うより一般名はPL法だろう。但し「liability」は、賠償責任と訳すのが正しいような気もする。会計用語だが「liability reserve」と言えば責任準備金のことだ。しかし、今は、そこには触れない。

この法律の第1条(目的)には、こう書かれている。「この法律は、製造物の欠陥により人の生命、身体又は財産に係る被害が生じた場合における製造業者等の損害賠償の責任について定めることにより、被害者の保護を図り、もって国民生活の安定向上と国民経済の健全な発展に寄与することを目的とする。」

わずか6条からなる短い、小さな法律である。しかし、消費者にとってこの法律は画期的なものと言われた。

この法律が施行される前は、損害賠償責任を追及する場合、民法の一般原則により、加害者に故意・過失があったことを被害者側が証明しなければならなかった。つまり民法で損害賠償を請求する際には、被告の過失を原告が立証する必要があった。しかし、過失の証明と言うものは非常に困難であるために損害賠償を得ることが不可能な場合が多数あった。そのため、製造物責任法では製造者の過失を要件とせず、製造物に欠陥があったことを要件とすることにより、損害賠償責任を追及しやすくした。このことに製造物責任の意義があったらしい。言い換えると、製品の欠陥により、被害を受けたことだけ証明すれば良いと言われていた。

だが、残念ながら最初に書いた事例では、製造物の欠陥は認められていない。上記、報告の備考欄には「平成23年2月8日にガス機器・石油機器以外の製品に関する事故であって、製品起因か否かが特定できていない事故として公表していたもの」と、なっている。

ここで、法律の悪口を言うつもりは無い。しかし、法律は、所詮一般的に通用することを文書化しただけのものである。私は、家庭内の家電品ほぼ全てに購入日と大まか耐用年数を記入している。購入日が分かれば、メンテナンス日も大体分かる。ガス器具や水道周りも同様に行っている。要するに、自分の身は自分で守ることにしている。仮に、怪我や火傷を負って賠償してもらっても、痛い思いをするのは自分である。消費者庁も、家庭内での危険を発見するチェックシートを作って配布するとか、危険予知トレーニングの講習会を開く等の活動を行った方が良いと思う。最後の段階では、法律で守ることが大切である。だが、その前の段階では自分で危険を避けることの方が大切である。自分の周りの危険因子は見つけておこう。