takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

技術士2次試験の変更・その1

今回は、19日の続きとなる新しい技術士試験の概要について、今度は技術士2次試験の変更点を述べる。但し、少し長いので2回に分ける。

今回の改変の目玉は、技術的体験論文の廃止と言われている。確かに廃止になる。しかし、受験申込みの受験経歴(証明書)の欄に5行の業務経歴と業務内容の詳細を書かなければいけない。私は、少し簡略化されただけではないかと思う。逆に、受験申込みをする時に非常に大切な資料を書いて出すのだから、ここは慎重に書いた方が良い。以下、そこを説明する。

受験申込み書の2枚目になると思われる、業務経歴票の真ん中あたりに「当該業務での立場・役割・成果等」とあり、さらに下にはこうある。

 

/////////以下引用/////////

「※ 上記業務経歴の詳細欄に○を付したものについて、

業務内容の詳細(当該業務での立場、役割、成果等)を記入。」

「形式

① 原則ワープロで作成するものとするが、手書きで作成しても良い。

② 書式は、720 字以内(図表は不可)としワープロで作成する場合、

48 文字×15 行、文字の大きさは、原則10.5 ポイントとすること。」

/////////引用終わり/////////

 

平成19年からの試験もそうであったが業務経歴票と体験論文は、口頭試験の時に使用される資料である。

大まかに言えば「私は、このような業務経歴です、その中でこんな業務を行いました」と、試験委員に伝える。

そこで、試験委員は「この業務のポイントは何ですか?」、「どんな考えを基にこの解決策を行いましたか?」と質問して来るのだ。

今回は、10行あった業務経歴が5行になり、3000字だった体験論文が720字になった。これは、試験委員の負担を減らすためだと思う。試験される側、つまり受験者の負担を減らすためではない。

また、簡略化された「業務内容の詳細」には「(当該業務での立場、役割、成果等)を記入」となっている。しかし、これを文字通り取るのは危険である。

 

新しい口頭試験では、以下の項目で評価される。

 

////// 以下、技術士会のサイトより //////

 

② 口頭試験

(総合技術監理部門を除く技術部門)

試問事項別の配点は次のとおりとする。

Ⅰ 受験者の技術的体験を中心とする経歴の内容及び応用能力

1.経歴及び応用能力 60点満点

Ⅱ 技術士としての適格性及び一般的知識

2.技術者倫理 20点満点

3.技術士制度の認識その他 20点満点

 

(総合技術監理部門)

試問事項別の配点は次のとおりとする。

Ⅰ(必須科目に対応)

1 総合技術監理部門の必須科目に関する技術士として必要な専門知識及び応用

能力

①体系的専門知識 40点満点

②経歴及び応用能力 60点満点

Ⅱ(選択科目に対応)

1 受験者の技術的体験を中心とする経歴の内容及び応用能力

①経歴及び応用能力 60点満点

2 技術士としての適格性及び一般的知識

②技術者倫理 20点満点

③技術士制度の認識その他 20点満点

 

////// 引用終わり //////

 

体系的知識の確認は、新しい択一試験で評価されるため、口頭試験からはなくなった。その分時間は短くなっているから他はあまり変らないだろう。

加えて、口頭試験の配点中6割を占める「1.経歴及び応用能力 60点満点」が、受験申込みをする時に提出する資料を元に試されるのである。

言い換えると、申込みをする時に提出する書類で、口頭試験の成果がある程度決まってしまうのだ。平成25年に受験する方は、ここに最大限の注意を払った方が良い。

 

明日に続く。