takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

技術士1次試験の変更点

1940年(昭和15年)1月19日には、「ファン・イムホフ号事件」と言う海難事故(事件)が発生している。しかし、これはその名の通り「事件」と言った方が適切であり、ここで取上げる事象ではないと思う。

そこで、技術士試験制度が平成25年度から新たになるため、新試験制度について述べる。今回は1次試験から。

 

1次試験の変更点。

最初は、変更なしの2科目。

1)適正科目は、技術士法第四章の規定の遵守に関する適正を問う問題」のまま変更は無い。また、問題数は15問全数解答、形式も5者択一まま変更なし。配点も15点のまま。

2)専門科目は、「当該技術部門に係る基礎的知識及び専門知識を問う問題」のまま変更は無い。また、問題数は35問中25問解答、形式も5者択一まま変更なし。配点も50点のまま。

次は、変更となった2科目。

3)共通科目試験は、廃止になった。元々、この試験科目は、定められたいくつかの国家資格を取得した人や、大学の理工学部卒業者は免除だった。内容は、数学・物理・化学・生物学・地学から二科目選択する試験である。レベルは、大学の教養課程程度、あるいは、高校で理系科目の成績の良い生徒なら合格するレベルである。5科目の中から得意な2科目を選択し、1科目につき20問出題その全問題に解答する5者択一試験である。配点は、1科目20点で合計40点だった。

この科目が無くなったため、試験は合計6時間から4時間に短縮された。また、合計得点も、120点満点から80点満点になっている。もっとも、免除の人は随分いたはずだからあまり関係ないかもしれない。それでも、学生時代のうちから1次試験に合格して、技術士補を取得しておきたい人には利点だと思う。

4)基礎科目試験は、共通科目を統合する形で変更になった。

「設計・計画に関するもの」

「情報・論理に関するもの」

「解析に関するもの」

「材料・化学・バイオに関するもの」

「技術連関」

平成24年までは、上記の5分野から5問づつ、25問出題されていた。形式は5者択一で他の科目と同じ、5分野から5問づつ出題された問題に対し3問づつ15問解答すれば良かった。

しかし、これが、5分野から6問づつ30問出題となった。3問づつ合計15問解答することは同じであり、配点の15点も変わらない。また、問題の難易度は、今のところ分からない、共通科目を統合すると言うのだから範囲は少し広がるかもしれない。しかし、問題数が1分野5問から6問に増え解答数は3問のままなのだから、選択肢が広がったことは間違いない。

 はっきり言えば、簡単になったのである。2次試験は簡単になったかどうか分からない。しかし、1次試験が簡単になったのは間違いないだろう。

試験制度は、数年毎に変更になる。今回は簡単になったと言えるが、次は難しくなるかもしれない。理工系の学生諸君や若手エンジニアの皆さんは、ぜひともこの機会に1次試験合格を目指し、技術士補の資格を取得しておくことをお勧めする。1次試験に合格しても、メリットは何にもない。しかし、技術士資格を取得するためには、第一関門である1次試験に合格しておく必要がある(JABEE修了者の除く)。せっかく、門戸を広げてくれたのだから、開いてる内に入った方が良い。