takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

科学技術

『永久機関』という永遠の夢あるいは、永遠の嘘ー1

現在ではそれほどではありませんが、熱力学の法則が明確になるまで、永久機関は科学者や技術者の夢でした。 例えば、前回リンクしたエッシャーの絵を単純なイメージにすると、以下のようなものでしょう。一目で「あれ?」と思いますが、エッシャーの絵はこれ…

エッシャーの滝

オランダの版画家、エッシャーに永久機関を彷彿させる作品があります。 閉じた水路を滝が循環して流れる不思議な「だまし絵」です。水は高低差があるからこそ流れ落ちます。滝が水路を1周して元の位置に戻るはずはありません。戻るはずはないのですが、この…

今のところ地熱発電にはあまり期待しない方がよい

メルマガ:ダイヤモンド・オンライン 16/9/28号に以下の記事がありました。 diamond.jp 正直言って、現在の地熱発電は効率が悪過ぎます。 エネルギー庁が公表している資料から蒸気量と発電量の比から、日本の地熱発電所の平均発電熱効率を求めることができま…

『あなたの体は9割が細菌』って本当ですか?

売れているみたいです。 内容は専門的ですが、文章は平易です。 河出書房新社のサイトには、著者アランナ コリンの紹介があります。 インペリアル・カレッジ・ロンドンで学士号と修士号を取得し、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンおよびロンドン動物学協…

エンジニアの成長戦略

日本実業出版さんから、2冊目の本を出して貰えることになりました。 1冊目は技術士試験の対策本でしたから、試験を受ける人以外は購入しません。でも今回の本は、若手エンジニアから中間管理職ぐらいまでの技術屋さんが対象です。IT系から、私のようなハー…

宇宙大作戦≒スタートレック

前回、書いた通り『スターウォーズ』は大好きな作品ですし、名作です。 まさにスペースオペラ、日本の『宇宙戦艦ヤマト』とは全く異なります。 話はそれますが、『ヤマト』の劇場版をざっと見て下さい。 劇場アニメ映画 『宇宙戦艦ヤマト』1977年8月6日公開…

スターウォーズは大好きなんだけど

告知 3月20日(日曜)池袋のアットビジネスセンターの貸し会議室で「平成28年度技術士二次試験申込み書の書き方」講座を開催します。12名限定の講座です。定員になり次第締めきります。 開催時間:10時~16時 部門はといません。 受講料は15,000円です。 当…

『プルーストとイカ』

今年の正月は、ほんとに良い天気に恵まれました。 と言って、別にどこへも出かけなかった私ですが、近所のスーパー銭湯にはぶらりと行きました(2日の土曜日)。後は、年賀状を投函するために、少し遠回りして散歩をしたぐらいです。 さて、早く読めなかった…

意識をめぐる冒険

この本は、343頁全10章で構成されています。 そのうち、1・2章は子供の頃からの自分の生い立ちやフランシス クリックとの出会い等自伝的な話になっています。クリストフ コッホが30年前に「意識」の研究を始めるころは、「意識」の研究なんてキワモノ扱いの…

先ずは、『意識をめぐる冒険』から

著者のクリストフ コッホについて、Wikipediaから紹介します。(一部略) 1956年、アメリカに赴任中のドイツ人外交官の息子として、ミズーリ州カンザス・シティで生まれる。その後、外交官である父親の転勤に連れられる形で様々な国を移動。オランダのアムス…

温暖化?違います気候変動です!

以下、NHKのニュースサイトによれば「世界のCO2濃度が、月平均で最高」を記録したようです。 世界のCO2濃度 月平均が過去最高 NHKニュースwww3.nhk.or.jp 1年に2ppmぐらいづつ濃度が上がるから、500ppmまでは後、50年。温暖化の問題はますます深刻さ…

人類=ホミニン=Hominins-4

だいぶ新しくなります。今回は、300~350万年前のご先祖様、アウストラロピテクス・アファレンシスです。彼らの骨の化石は随分見つかっています。言い換えると、時代が新しいこともありますが、大勢いたことに証しでもあります。 男性、女性、幼児の完全な骨…

人類=ホミニン=Hominins-3

1回目と2回目で紹介したご先祖様、サヘラントロプス・チャデンシスやアルディピテクス・カダバを知っている人は、私のような進化論マニア(オタク)だけかもしれません。しかし、今回ご紹介するラミダス原人(アルディピテクス・ラミダス)はご存じの方も多…

人類=ホミニン=Hominins-2

ここで、地質年代の呼び方を少し説明します。 大きく分けると恐竜たちが滅んだ6600万年前で中生代が終り、その後は新生代です。しかし、新生代は時間的距離が近いため細かな違いを精密に調べることができます。そのため、中生代を三畳紀、ジュラ紀、白亜紀と…

人類=ホミニン=Hominins

少し前に、「過去へ向かって歩いてみよう」と言う訳の分からない題で記事を書きました。 過去に向かって歩いてみよう-1 - takumi296's diary 過去に向かって歩いてみよう-1 - takumi296's diary 全部で3回に分けて書きましたが、1歩1,000年で過去に向かい最…

「技術士Ⅱ次試験」受験申込み書は口頭試験の時に重要な意味を持ちます

受験講座サイトでも書きましたが2月3日、日本技術士会のWebサイトで、平成27年度の技術士第Ⅱ次試験・第Ⅰ次試験jの実施日程や技術士試験実施大綱が公表されました。http://www.engineer.or.jp/c_topics/003/003660.html以下、本年度の第二次試験と第一次試験…

過去に向かって歩いてみよう-3

この後は暫く更新世と呼ばれる少し寒い時代が続きます。 大陸の形は現在とほとんど変わりません。しかし、氷期・間氷期の氷床の拡大・縮小による海水準変動に伴って、海岸線の位置が移動しました(もっと簡単に言うと両極の氷が溶けたり凍ったりして海水の量…

過去に向かって歩いてみよう-2

昨日は、わずか7歩×0.7メートルで4.9メートルしか進みませんでした。しかし、時代は7千年前新石器時代の終わり近く都市や村落はできはじめています。まさに、文明の曙と言ったところです。もう少し歩いてみましょう。 8歩目、世界各地で貝塚がつくられ始めま…

過去に向かって歩いてみよう-1

変なタイトルです。皆さんをバーチャルな旅へとお誘いしたいと思います。 グーグルグラスのようなメガネを着けて、ドラエモンのようなロボットから借りた靴を履きます。この靴は1歩進む毎に、あなたを1000年前の空間へ連れて行きます。取り付けたメガネによ…

あの頃は燃えた、熱かった『日本オーディオ界の』70年代、80年代-17

オーディオは、音源となる音楽の領域から見ればある意味芸術です。しかし、音波、振動、電気、電子、電波を扱うシステムと見れば科学技術の分野に入ります。初心者・初級者の手には余る部分も多いのでジャーナリズムが必要とされました。1990年代後半から200…

あの頃は燃えた、熱かった『日本オーディオ界の』70年代、80年代-16

1966年に3chマルチ(計6台のアンプ)を一台のキャビネットに収めたプリメインアンプ、トリオ・サプリームⅠが発表されました。マニアの究極の理想はマルチアンプシステムです。これを実現するにはプリアンプ、チャンネル・デヴァイダー、4~6chのパワーアン…

日経サイエンス2015年3月号より

日経サイエンスは、毎月購読している雑誌です。 その最新号である、3月号は「STAPの全貌」と特集を組んでいます。私は以前このブログでも書いたとおり、あれは過去に何度もあった科学者自身の誤解に基づく誤発表です。ただ、理化学研究所という日本最高…

あの頃は燃えた、熱かった『日本オーディオ界』の70年代、80年代-15

今回は少し古い時代のオーディオ話です。東京オリンピックは昭和39年(1964年)に開催されています。1960年に始まり1964年に終ったオーディオのブームの一つに「エコーブーム」があります。ナショナルつまり松下電器では「”超音響”ステレオ」と銘打って大き…

医療機器は、人体に与える影響度によってクラス分けされています

例えば、X線フィルムは医療機器です。しかし、人の体に直接影響を与えることはないでしょう。また、体温計はどうでしょう。計測誤差が大きく、高熱があるのに測ると平熱だった場合、判断を間違えることはあるかもしれません。とは、言えそれは自分でわかる…

そもそも「医薬品及び医療機器等法」は、なんのためにある-2

前回、私は「医薬品及び医療機器等法」の目的は「国民の健康、生命を守ること」と書きました。「医薬品及び医療機器等法」は、そのためにあります。それは間違いありません。では、その目的を達成するために具体的には何をするのでしょう。 1)医療機器製品…

そもそも「医薬品及び医療機器等法」は、なんのためにある

長い名前は、少しカットしました。法律の目的は第一条に書いてあります。先ず、それを見てみましょう。 第一章 総則 (目的) 第一条 この法律は、医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器及び再生医療等製品(以下「医薬品等」という。)の品質、有効性及び安…

あの頃は燃えた、熱かった『日本オーディオ界』の70年代、80年代-14

オーディオの話は、まだまだ続きます。書きたいことが山のようにあるからです。 私の仲間が集まると必ず話題になるのが、「最も再生の難しい音源は何か」ということでした。正解はありません、しかし、仲間内では「人間の声」と言うのが一つの答えになってい…

誰が言い出した「人食いバクテリア」

先ず以下は、ヤフーのニュースサイトより ******ここから****** Yahoo!ニュース 過去最多 致死率30%「人食いバクテリア」感染激増の恐怖 (日刊ゲンダイ) 過去最多 致死率30%「人食いバクテリア」感染激増の恐怖 昨年から恐怖の“人食いバ…

薬事法改正、長い名前が覚えられない

「薬事法」は今回の改正により、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」というとても長い名前の法律になりました。落語の「寿限無寿限無」のようです。「等」と言う字が2回出てくるのがポイントです(太字)。 今回の改正は、…

改正薬事法これまでの改正を振り返って及び広告&お知らせ

関係のない方には申し訳ありません、最初に広告とお知らせです。 技術士第二次試験合格論文を書く!3段階ステップ必勝法 技術士第二次試験合格論文を書く!3段階ステップ必勝法 会場は、東京都港区芝公園3-5-8にある、「機械振興会館」です。 日時は変更あ…

あの頃は燃えた、熱かった『日本オーディオ界』の70年代、80年代-13

オーディオの世界では音の大きさを音圧(dB)で表現します、しかし本来、音の大きさ(ラウドネス)の単位はsone(ソーン)であり、音圧レベルが40dBの1,000Hzの純音の音の大きさを1soneと定義しています。人の感じる音の大きさが2倍になれば2sone、半分にな…

あの頃は燃えた、熱かった『日本オーディオ界』の70年代、80年代-12

新年ですから再び基本的なところから始めます。 良い再生装置とはどんな再生装置でしょう。もちろん、これは人によって異なりどれが正解ということはありません。人によって好みの音楽も異なります。原音に忠実な再生いわゆる「HiFi」と言ったところで、原音…

あの頃は燃えた、熱かった『日本オーディオ界』の70年代、80年代-11

カセットテープ、オープンリールテープは、どちらにもヒスノイズのよばれるノイズが入り込みます。 ヒスノイズは、高音域に発生するノイズでその原因は樹脂テープに磁性体を塗布する時の不均一差によるものです。テープの音を聴いたことのない若い方は別にし…

あの頃は燃えた、熱かった『日本オーディオ界』の70年代、80年代-10

カセットテープには、形状の他にもテープそのものの種類がいくつかありました。 ノーマルテープ クロムテープ メタルテープ 上記3種類が広く普及したものです(他にもありましたが、広まりませんでした)。 また、後には高級ハイポジションノーマルテープと…

あの頃は燃えた、熱かった『日本オーディオ界』の70年代、80年代-9

ティアックは、昭和28年(1953年)に設立した会社です。ただし、設立した当時は、東京テレビ音響株式会社(後のティアックオーディオ株式会社)でした。設立地は、当時の東京郊外ベットタウンだった東京都武蔵野市です。設立後わずか3年の1956年、東京電気音…

あの頃は燃えた、熱かった『日本オーディオ界』の70年代、80年代-8

商品化された、世界初のテープ録音機「アンペックス200」は、音楽・放送業界に大きな影響を与えました。今では当たりまえですが、何しろ録音した素材を編集し必要なところだけ取り出すことができるのです。1本のテープなのでランダムアクセスには弱いのです…

あの頃は燃えた、熱かった『日本オーディオ界』の70年代、80年代-7

いつもこのブログをお読み頂いている「戯れ言」さんから、ティアックのレコーダーについてリクエストがあったので、何回かに分けて録音テープとテープ録音機について書きます。また、「のり巻き疾風」さんからご注意を受けたダイナミックレンジについては、…

あの頃は燃えた、熱かった『日本オーディオ界』の70年代、80年代-6

今日は、カセットテープのお話です。 普及したかしないかは別にして、カセットテープにはいくつかの規格がありました。その内、日本及び海外でもっとも普及し広く使われたのは「Cカセット」つまりコンパクトカセットテープです。この他、少し前までマイクロ…

あの頃は燃えた、熱かった『日本オーディオ界』の70年代、80年代-6

西暦2000年を過ぎた頃から、FM放送はインターネットに負けて衰退してきました。しかし、FM放送は、70、80年代当時、高音質音楽ソースの一つに数えられていました。高級チューナーメーカで有名だったトリオは、当時のブランド名「ケンウッド」から、FM専…

あの頃は燃えた、熱かった『日本オーディオ界』の70年代、80年代-5

ここで、私が使っていたシステムを説明します。と言っても、当時東京江東区の安アパートに住んでいた私は、部屋にシステムを置くことができませんでした。そこで、函館の実家にシステムを置いて夏と冬に帰郷した時だけ聴いていたのです。ただし、弟が家に居…

あの頃は燃えた、熱かった『日本オーディオ界』の70年代、80年代-4

前回は、懐かしい企業の名前をならべました。しかし、歳のせいです、「サンスイ電機」と「オンキョー」を忘れていました。情けないですね。サンスイは会社そのものがなくなってしまいましたが、オンキョーはまだ頑張っています。なぜか、パソコンを作って売…

あの頃は燃えた、熱かった『日本オーディオ界』の70年代、80年代-3

何時もですと、オーディオの歴史的な説明からずっと書いていくことになるのですが、今回は少し趣向を変えます。 アメリカとの戦争に負けてスッテンテンになった日本は、偶然が重なり奇跡的な復興を遂げました。食べることにも困っていた時代は過ぎ、趣味を楽…

あの頃は燃えた、熱かった『日本オーディオ界』の70年代、80年代-2

良い再生装置とは何か。 別に難しい話ではありません、オーディオという再生装置について語る上で、ここは避けて通ることができない部分です。 良い再生装置とは、 「音の良い再生装置」 「忠実に原音を再生する装置」 「低音から高音まで再生領域が広い装置…

昨日は失敗学会年次大会

畑村先生、中尾先生、淵上先生、ありがとうございました。 失敗学の伝導師達 場所は、東大工学部2号館の1階です。銀杏の落ち葉が敷地内に溢れかえっていました。 9時45分~18時まで、講演と討論会の連続でした。昼休みを挟んで7時間以上の大会でしたがあっと…

あの頃は燃えた、熱かった『日本のオーディオ界』の70年代、80年代

何を隠そう(隠すつもりはないけど)、秋葉原が『Windows95』開発コードネーム『Chicago』の勢いに負けてパソコンの街になる前、あそこはオーディオの聖地でした。通称「音キチ」と呼ばれたハード系オーディオマニアは、「無酸素銅だ」、「LCOFCだ」、「ベリ…

今年読んだ本の傑作『亡びゆく言語を話す最後の人々』(この本は良い)

突然ですが本の紹介です。2回に分けて簡単に紹介します。ぜひ、読んで下さい。 昨年(2013年)の4月2日に発行された本、『亡びゆく言語を話す最後の人々』:K.デイヴィット ハリソン著・川島満重子訳-原書房刊を読みました。私が今年読んだ本の中では最高…

生きているもの(生物)-8

今回は、言語習得の臨界期に関するお話です。 この主張は、間違いだと反論する人もいるようですが、それはごく少数です。大方の学者は「臨界期を過ぎると言語の習得はできない」と言う説に賛成です。私も、自分で調べた訳ではないのですが、本、論文などを読…

生きているもの(生物)-7

いきなり、解剖学的な図を出しました。皆さんも一つは持っているのですから、あまり驚かないで下さい。こう言った図を極端に嫌う人もいます。それは知っていますので、気分を悪くされた方がいたら申し訳ありません。 人間の脳は、損傷を受けるとその場所によ…

生きているもの(生物)-6

今回は、少し違うお話です。少し飛ばして13章の「言語の起源」について話しましょう。 ジョン M スミスは、こう書いています。 過去20年間、言語には強い遺伝的な要素があるという確信が育ってきた。ある意味でわれわれの言語能力は生まれつきのものなのだ。…

生きているもの(生物)-5

遅ればせながら、目次を紹介します。前回まで、私が紹介していたのは、7章の部分です。全部解説すると1ヶ月以上はかかると思いますし、一部は私も理解できていません。ですから、それは無理です。理解できているかどうかは、自分の言葉で置き換えて説明でき…