takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

自動運転の「トロッコ問題」-本の宣伝ばかりじゃなくて

出版社にはご迷惑をかけたくないので、ついつい宣伝ばかりでした。

 

今回は、久しぶりにまともに書きます。

自動運転のトロッコ問題です。

機械学会でも話題でした。

また、マスコミが騒ぐほどメーカーは開発を急いではいません。

特に日本のメーカーは、慎重です。もしかしたら、慎重過ぎるかもしれません。

 

自動運転のトロッコ問題が取り正されるようになったのは、メルセデスベンツの公式発表からでしょう。

yurukuyaru.com

 

「直進すれば子供たちは死に、回避すれば運転手は死ぬ」

この救いようのない”トロッコ問題”において、自動運転車はどちらを選択するのが倫理的で正しいのか。メルセデス・ベンツが大手自動車会社としては初めて、この問題に真正面から切り込んでいます。

 

メルセデス担当者、クリストフ・フォン・ヒューゴ氏の回答

「自動運転技術は新しいものですが、この道徳的ジレンマは古くからよくあるものです。自動運転車が道路に飛び出してきた子供を認識するもブレーキをかける時間はない。横に回避すれば、対向車を走るトラックに正面衝突するか崖に落ちて搭乗者が死ぬとかの類ですね。

子供を救うべきか、搭乗者を救うべきかー。メルセデス・ベンツが今後販売する全てのレベル4/レベル5の自動運転車は、搭乗者を助けることを優先します

 

前方に子供が飛び出して、ブレーキだと間に合わない、右にハンドルを切ると大型トラックが来ている。

こんな時は、歩行者を殺して、運転手を守る。ベンツが正面切ってこんなことを言ったから話題になりました。

もし、これが認知症の100歳の老人が赤信号を渡りだし、車には運転手以外に奥さんと幼稚園児の兄弟が乗っている車ならどうですか?

 

100歳の老人なら、ほっといても明日死ぬかもしれません。

認知症なら、家族は介護に疲れているかもしれません。

そんな場合は、どうですか?

これ、簡単に結論がでる問題ではありません。

 

私は技術屋として一つの答えを提供します。

自動運転で車の中では仕事でも、食事でもできる。寝てても良いなら、制限速度を20キロぐらいにしたらどうですか?ノロノロ走る車は嫌い?そんな人も多いかもしれません。でも、自分で運転しなければそんなに気にならないのでは?

歩行者に対する事故は時速30キロを超えると死亡事故が急激に増えます。

だったら、自動なんだからゆっくり走ろうというのが考えです。

(過渡期はどうする?これは今のところアイディアがありません)

それに全ての車がレベル4の自動運転なら、信号機を無しにすることも可能です。

もちろん、歩行者は信号を発信するものを付けますが。

 

ゆっくり走っても、運転しなくてよいなら大した問題にならないと思います。

会社員なら、車に乗ってパソコンにログインしたら出社したことにすればよいのです。

車の中で、仕事ができるのですから。もちろん、全てに人がパソコンだけで仕事している訳ではないと思いますが、そんな人は多いでしょう。

グループウェアサイボウズなんか、ログインすると勤怠に打刻されます。

そんな機能があると言うことは、要望があるのでしょう。

それがだめでも、寝ることもできます。

こんな方法はいかがでしょうか?

 

 

 

 

 

 

技術士試験:eラーニング講座のご紹介

紹介と勧めがあり、eラーニング講座を作成しました。

対象は一般部門です。

今なら、申込書の無料添削付です。

manabiz.jp

 

こちらは、私だけが添削するのではありません。

ですから、人数制限はありません。

まもなく、申し込み書のダウンロードができます。

ぜひどうぞ。

 

 

 

『エンジニアの成長戦略』本の発売は、4月上旬です

大幅に変わった(順番を入れ替えた)目次もできました。

今回、本当に感心しましたが、編集者は編集者で本当にプロだと言うことです。

書いている方と、全く見る目が違います。

 

エンジニアの成長戦略

~一生食べていけるキャリアを作る~

 

目次一エンジニアの成長戦略

はじめに~あなたはエンジニアという素晴らしい職業を選んだ~

 

Chapter 1

エンジニアとして「成長」するためには何が必要か

目指すのはπ型のエンジニア

2本足のエンジニアを目指そう

専門知識だけでは生き残れない!

異分野のエンジニアと積極的に交わろう

エンジニアとしての成長戦略を計画しよう

 

Chapter 2

エンジニアに求められる能力をレベルアップする!

あなたは、自燃型・可燃型・不燃型、どのタイプ?

文系社員とのコミュニケーションを高める方法

エンジニアにも必要なプレゼンテーションカ

エンジニアのためのアイディア発想法①

エンジニアのためのアイディア発想法②

アイディアを工夫して保存する

 

Chapter 3

知識をインプットして経験の糸でつなごう!

……求められる能力をブラッシュアップ

π型エンジニアを目指すために必要な読書

知識は雑学と思ってどんどん吸収しよう

バラバラな知識を「経験」でつなぐ

自分ならではのコンビテンシーを持つ

財務諸表を覚えるよりも経営感覚のほうが大事

知財に関する法律はあなたを助ける

特許は誰のものかを考えてみよう

 

Chapter 4

キャリアップのための「転職」の考え方

時間?能力?エンジニアはどちらが〝売り〟になるのか

あなたの価値観・能力・興味は表現されているか

エンジニアの転職率は高くはない

経歴票は、業務報告ではない

同業他社への転職時に留意すべきこと

韓国や中国へ転職した際の技術漏洩、守秘義務の問題

女性エンジニアはここに注意しよう

資格があれば独立できる訳ではない

技術士の取得も考えてみる

 

Chapter 5

一流のエンジニアは技術をもっと高い視点でとらえる

これからのエンジニアが学んでおきたい

MOT(技術経営)のすすめ

若いエンジニアがMOTを学ぶべき理由

エンジニアは、マーケティングを誤解している

経営者と技術者の立場の違いを知る

技術者のコミュニケーション能力が正否を分ける

CTO(最高技術責任者)とは

 

Chapter 6

これまでの常識は捨てろ!

……エンジニアが必ず考えておくべきこと

エンジニアも考えさせられたあのこと

消えた技術はいくつある?

エンジニアの道は茨の道なのか?

あなたが世に出した製品は誰が使うかはわからない

エンジニアにとってのイノベーションとは

これからのエンジニア論

 

おわりに~どんな時代でも技術は必要とされる

参考文献

やっと発売になるようです。

以前の技術士試験対策の本とは全く異なりました。

出版社によってこんなに違うものかと思ったほどです。

原稿が出来上がってから、3ヶ月掛かっています。

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基本的にエンジニア向けの本です。

さらに、若手向けの本です、ベテランには物足りないと思います。

ですので、無理に購入して下さいと言いません(言いたいけど)。

まだ、アマゾンには登録されていません。

発売日は、4月上旬です。

日本実業出版様に感謝しております。

 

はてなProが後7日で切れます

およそ、5年はてなプロでやって来ましたが、プロの方はこれで止めます。

実は、最近本当に時間がなくて、今までは書くことができなくても見る・読むだけは続けてきたのですが、限界の様です。

 

とは言え、「シャーロック・ホームズ最後の挨拶」ではありません。

時々忘れた頃に、書き込みします。

また、皆さんを忘れないように、ブログは拝読いたします。

 

今後、私の活動は以下の3つのサイトが中心です。

技術士試験対策講座

技術士二次試験の対策なら 匠習作技術士事務所 - 技術士二次試験対策講座

 

独立を目指す技術士を支援する

技術士の為の副業から始める失敗しない匠起業塾 |

 

医療機器業界参入を目指す中小製造業を応援します。

医療機器 参入で利益2倍をお約束! | 業務改善コンサルティングMMC

 

2つ目は、引っ越ししたばかり。

3つ目は、まだ開設したばかり。

3つもサイトを運営したら、時間は無くなりますね。

 

「餅」高齢者には命がけの食べ物

明けましておめでとうございます。 本年もよろしくお願いいたします。

いきなりですが、暗いニュースから。

東京消防庁は2日、元日に餅を食べてのどに詰まらせるなどして管内で14人が病院に運ばれ、うち2人が死亡、7人が意識不明などの重体になったと発表した。同庁は、餅は細かく切り、ゆっくりかんで食べるよう注意を促している。

同庁によると、1日に搬送されたのは28歳~89歳の男女14人。板橋区では午後1時10分ごろ、男性(81)が自宅で雑煮の餅を食べた際にのどに詰まらせ、搬送先の病院で死亡した。北区でも午後1時半ごろ、男性(60)が餅をのどに詰まらせて心肺停止状態になり、死亡したという。

 同庁は、のどに餅を詰まらせた場合は119番通報をするとともに、意識がある場合は胸か下あごを支えてうつむかせ、背中を強くたたいて吐き出させるなどの対応をとり、意識がない場合は心臓マッサージなどで回復させ、餅を吐き出させるよう呼びかけている。

 

www.asahi.com

新聞のリンクはすぐに切れるから、記事もコピーしてます。

「私は、親に命かけてまで餅なんて食べなくて良い」と言ってあります。

下のデータは東京消防庁のものですが、驚くほど多くの人が亡くなっています。

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これは全国のデータではありません。東京だけです。

また、このデータを見ると、餅もご飯も野菜や果物も、ましておかゆもそれほど危険性に変わりはないことが分かります。

ようするに咀嚼する力そのものが弱まっているのです。

今回は、60歳の男性も亡くなっています。

後、6年ですから他人事ではありません。

皆さんも、よく噛んで食べる癖を付けましょう。

 

 

『永久機関』という永遠の夢あるいは、永遠の嘘ー3

今年最後のブログは永久機関で締めようと思います。

前回、私は永久機関の設計者たちはその失敗を共有しないと書きました。これは、どうしてなのでしょうか?

私は、ただ単純に不勉強なのだと思っています。人の話を聞かない人たちが永久機関に夢中になるのではないでしょうか?

ところで、皆さんは元プロレスラーのアントニオ猪木さんをご存知ですか?

今は、政治家になるのでしょうか?

あの人も永久機関に毒された一人です。

と言っても恐らく騙されたのだと思います。

猪木さんは、INP技術研究所の名誉会長となっていました。同研究所は「永久電気」用発電機を開発していたのですが、途中から「高効率モーター」に変化しています。研究開発には猪木さんが莫大な資金を投じました。(このINP技術研究所、今は存在しません。2006年に集中的に6件の特許を出願しています

そのため新日本プロレスの経営にも悪影響を及ぼしたようです。2002年にマスコミ関係者(スポーツ新聞やプロレス雑誌の編集者)を集めて永久電気の発表会を開いたことがありました。もちろん、実験は失敗でした。しかも、猪木さんはその失敗の説明を「ネジを一本締め忘れた」と語っています。

それなら、その場で締めなおして実験を見せれば良かったと思うのですが、ドライバーも忘れたのでしょうか?

猪木さんの高効率モーターは図面がありませんから、どんなものなのか調べることはできません。まあ、何となく想像はできますが?

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 本人は、この発明で大儲けを考えた訳ではなく、途上国に送って、エネルギー問題を解決しようと考えていたようです。

根は善人なのでしょう。

『永久機関』という永遠の夢あるいは、永遠の嘘ー2

しつこいですが、誤解がないように書いておきます。

私は、永久機関を創れるとは思っていません。熱力学の第0~第3までの法則は、絶対です。これに間違いはありません。ですから、この法則に逆らう永久機関を創ることはできません。

ただ、科学技術の歴史マニア(オタク)として、見逃せないカテゴリーが永久機関です。そのため、自らの趣向に基づき永久機関のことは調べています。

永久機関の発明と言われるものを古いものから調べて行くと、現代の発明と100年以上前の発明が全く同じ動作原理で考案されていることに気が付きます。全てがそうだという訳ではありませんが、考え方が同じものが多いのです。

言い換える、永久機関の失敗記録は共有されていないと言うことです。

これは、科学技術の世界ではとても珍しいことです。科学技術は、つねに先人の成し得た業績の上に新たな、業績を積み上げます。ですから、その失敗も本来は共有して、同じ轍を踏まないように試行錯誤を積み重ねます。

もっとも、以前書いたように、「STAP細胞」の騒ぎは100年前の「n線騒動」と同じでした。しかし、あれなマスコミや社会が同じ騒ぎを起こしただけです。まあ、渦中の女性研究者は、n線のことを知らなかったかもしれません。

話を戻しましょう。

おそらく、永久機関が実現できると思って頭を捻っている人たちは、同じ知識が不足しているのではないかと思います。また、そのために同じ落とし穴に落ちているのではないかと思います。遅くなりましたが、実は本の原稿を書き終えたので、これから数回に分けて、少し詳しくご説明いたします。

先ず、重要なこと、永久機関と呼ばれるものは、2種類のタイプがあり、これは全く別物です。それぞれ、紹介しましょう。(註:図はウィキペディアからのコピーです)

第一種:永久機関

第一種の永久機関は、一度機関を始動させれば外部から何らエネルギーを補給しなくても永久に運動を続ける機械や装置です。機械自身が永久にエネルギーを作り出し、動き続けます。通常、永久機関といえば第一種の機関を言います。

しかし、この第一種永久機関は、熱力学の第一法則(エネルギー保存の法則)を完全に無視しています。

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上の図は、有名な第一種永久機関ですが、絶対に動きません。

上は1700年ごろ、下は1200年ごろのものです。

こんなもの、作ればすぐに動かないことが分かるのですが、これの変形判(車輪とおもりを使ったもの)は無数にあります。

 

第二種:永久機関

第一種の永久機関と同様に永久運動を続けうる仮想的機械です。しかし、こちらは機械自身がエネルギーを作るのではありません。例えば大気や海水の持つ無限の熱を取り入れて機械的仕事に変えるものす。そのため、第一種の永久機関のようにエネルギー保存の法則には逆らいません。
それなら動くのか?と言うとそうではありません。熱力学第二法則によれば、熱機関に仕事をさせるためには必ず高熱源と低熱源が必要です。第二種永久機関にはそれがないのです。

もっと簡単に大雑把な説明で言うと、変換効率100%の機関は作れないため、第二種永久機関であっても作ることはできません。

 

取りあえず、この二つを覚えて下さい。