takumi296's diary

技術士・匠習作の考へるヒント

平成30年度の試験から、技術士試験は大幅に変わります

以下は、昨年(平成28年)の段階で書いた記事ですが、現在は事情が変わっています。

平成30年度の試験は、25年~29年までの試験と同じです。

択一試験はあります。論文試験の内容も変わりません。

文部科学省技術士分科会担当者によると、「恐らく31年度の試験から変わります」とのことでした。

 

 

平成28年10月18日(火)の科学技術・学術審議会技術士分科会
第9回制度検討特別委員会において、技術士試験における変更が報告されました。

以下がその内容です。

I.技術士第二次試験筆記試験(総合技術監理部門を除く)の必須科目について
記述式の出題とし、技術部門全般にわたる専門知識、応用能力、問題解決能力及び
課題遂行能力を問うものとする。
つまり、択一式は無くす。

II.現在96ある技術部門・選択科目の科目数を69科目に整理統合する。

例えば、現在10科目ある機械部門は、

1.機械設計

2.材料強度・信頼性、
3.機構ダイナミクス・制御

4.熱・動力エネルギー機器

5.流体機器、
6.加工・生産システム・産業機械

の6選択科目になる。

以下他の19部門の変化を略記すると、
・船舶・海洋3選択科目を1.船舶・海洋に(舶用機器は機械部門へ)
・航空・宇宙3選択科目を1.航空宇宙システムに統合
・電気電子5選択科目は、変わらず(発送配変電が電力・エネルギーシステムに名称変更)
・化学5選択科目が1.無機化学及びセラミックス、2.有機化学及び燃料、
  3.高分子化学、4.化学プロセスに
・繊維4選択科目が1.紡糸・加工糸及び紡績・製布、2.繊維加工及び二次製品に
・金属5選択科目が1.金属材料・生産システム、2.表面技術、3.金属加工に
・資源工学3選択科目が1.資源の開発及び生産、2.資源循環及び環境浄化に
・建設11選択科目は全く変更なし
上下水道3選択科目を1.上水道及び工業用水道、2.下水道に
・衛生工学5選択科目を1.水質管理、2.廃棄物・資源循環、3.建築物環境衛生管理に
・農業7選択科目を1.畜産、2.農業・食品、3.農業農村工学、4.農村地域・資源計画、
 5.植物保護に
・森林4選択科目を1.林業・林産、2.森林土木、3.森林環境に
・水産4選択科目を1.水産資源及び水域環境、2.水産食品及び流通、3.水産土木に
・経営工学5選択科目を1.生産・物流マネジメント、2.サービスマネジメント
情報工学4選択科目を1.コンピュータ工学、2.ソフトウエア工学、3.情報システム、
 4、情報基盤に(名称変更のみ)
・応用理学3選択科目は変更なし
・生物工学3選択科目は1.生物機能工学、2.生物プロセス工学に
・環境4選択科目は全く変更なし
原子力放射線5選択科目が、
 1.原子炉システム・施設、2.核燃料サイクル及び放射線廃棄物の処理・処分、
 3.放射線防護及び利用になった。

受験者は選択科目の内容も、再確認する必要がある。

III.試験方法の具体的方向性と試験時間、配点が次のように変更になる。

必須科目:
「技術部門」全般にわたる専門知識、応用能力、問題解決能力及び課題遂行能力を問う。
(記述式、600字詰用紙3枚以内、試験時間2時間、配点40点)

選択科目1:
「選択科目」に関する専門知識及び応用能力を問う(記述式、600字詰用紙3枚以内、配点30点)

選択科目2:
「選択科目」に関する問題解決能力及び課題遂行能力を問う(記述式、600字詰用紙3枚以内、配点30点)

※選択科目1.2合わせて試験時間3.5時間

 

************* ここまで*******************

 

昨年から言われていましたから、これで大体決まったと言ったところでしょう。

択一がなくなるのは、人によって都合が良い人、悪い人に分かれるはずです。

1日で9枚の論文はきつそうですが、平成19年~24年までの時と同じです。

逆に、選択科目の統廃合は、申し込み時に悩みが増えると思います。

 

新しい情報が入り次第お伝えします。

ただし、誤解しないでください、平成30年度つまり、来年の試験は何も変わりません。

あくまでも、31年度の試験からです。

 

 

 

平成28年度技術士試験・筆記試験の結果は27日の木曜朝

受験者の皆さん、人によってはすでに心臓がバクバクかもしれませんね。

誤解しないで下さい。決してそれを楽しんでいるのではありません。

それどころか、私自身、23年に落ちた時のことを思いだすのでこの発表の前、特に前日や前々日は好きではありません。おそらく、死ぬまで治らないと思います。

 

24年は受かったのですが、正直23年の方が自信満々でした。

とは言え、今思えば24年の解答の方ができが良いと思います。

当時は、そんなことも分かりませんでした。

 

受験者の皆さん、もちろん、筆記に受かってもこの後の口頭試験があります。

絶対に、気を緩めないでください。

合格率80%の口頭試験でも、言い換えれば10人に2人は落ちるのです。

さらに、ここで落ちたら、来年もう一度、合格率15%の筆記試験から受けなければなりません。正直、モチベーションを維持するのは大変です。

 

技術士会が自慢する技術士試験の厳しさです。

 

口頭試験では、提出済みの「業務の詳細」論文を中心に質問してきます。

自分がやった業務ですから、本人には分かり切ったことです。

しかし、試験委員は分かりません。そこを勘違いしないでください。

試験委員は頭のいい人ですが、あなたの業務のことは全く知りません。

予備知識も無いと思って下さい。

 

また、中には意地悪な質問ばかりあびせてくる試験委員もいます。

まるで、受験者のことを憎んでいるのかと思うくらい意地悪な人もいるようです。

しかし、どんな試験委員でも冷静に対処して下さい。

落ち着いて、切り返しましょう。

 

それができれば、来年の三月には、あなたのところに合格通知が届くはずです。

 

海外勤務先から、技術士を目指す方へ

海外に長期出張されている方で、技術士を目指し講座を受講して下さる場合があります。

そんな方のお一人から、メールを頂きました。

実は、毎年数名の方が海外から受講して下さっています。

そして、その多くの方が最後まで続きません。

私自身は、海外勤務をしたことがないのですが、大変さは分かります。

送って頂いたメールにあった、海外長期出張者の不利な点です。

 (以下は、メールそのままです。もちろん、許可を得て載せています。)

 

①技術系雑誌、専門系新聞の購入にハンディがある
 新聞を印刷した媒体で取ろうとすると1.5万円/月かかります。
 インターネット配信では5千円ですが、も一つ有用な記事が判りにくい

図書館の利用ができない、専門書の購入が難しい
 中国語の技術専門書は読めないです。また、中国の技術書は
 印刷も悪く、写真や図が少ないという欠点があり、中国人技術者
 への教育にも支障があるような状態です。

③精神的なバックアップがない
 企業が後押ししているならともかく、企業が技術士資格に興味が
 無い状態で勉強するのは、日本でも難しいです。
 一緒に勉強する相手もいない。

④金銭的な問題
 日本での受験指導を受けるには、受講料だけでなく、往復の
 飛行機代、宿泊代などがかかる。

⑤ストレスの問題
 海外勤務者向けの医療保険会社からの報告では、上海近辺の
 日本人駐在者の「死因」は、脳溢血、心臓病がガンや事故死より
 高いです。これは海外勤務によるストレスが最大の原因です。
 自殺も多いと思いますが、「事故死」などに含まれているようです。

 

最後のストレス問題は深刻な問題です。また、事実そのようです。

癌で死ぬのは、要するに長生きするからです。

世界の長寿国のどこを見ても癌大国です。

現役世代が、病死する場合、脳溢血、心臓病は多くなります。

ちなみに、3日間以上の海外出張者は、延べ年間270万人だそうです。

技術者の長期出張は、大きなプロジェクト業務の場合、半年や1年になることはざらです。日本は、土木技術が優れていますから、途上国のインフラ整備に力を貸しています。ただ、その日本の技術者を代表して海外へ向かう方へのサポートは、微妙な感じです。

私は、自分が埼玉在住のため、東京で行われる試験講座に参加することがそれほど大変ではありませんでした。しかし、参加者の方からお聴きすると「仙台」「名古屋」「北海道」と全国からでした。

このITの時代にこれは何とかしなければと思って、通信講座を充実させるようにしています。動画の配信も、グループウェア講座もそのためです。

海外からでも、受験に不利にならないように資料も充実させるようにしています。

ただ、それでも所詮通信講座です。モチベーションのケアは十分かと言えば、決してそうではないでしょう。

他にも海外在住で、技術士を目指す方は大勢いらっしゃると思います。

ご意見がありましたら、送って下さい。

そして、健康管理に注意して下さい。

 

お問合せ - 技術士二次試験対策講座

 

 

 

 

平成29年度:技術士二次試験対策講座説明会

講座の説明会を初めて行います。

昨年、要望が多かったからです。

 

場所:東京駅八重洲口側・アットビジネス東京203号室

日時:11月20日(日曜)14時~16時45分

『平成29年度技術士二次試験:合格のための説明会』

上記を開催します。

テキストは事前にメール添付で配布します。

受講料は3,000円です。(当日でも可)

定員がありますので、お早めに。

内容は以下の通り

1)合格に向けた学習計画の立て方。

2)年内に準備すべきこと

3)なぜ合格できないか?

4)合格のための3要素

5)あなたは、3種類の論文を書き分けられますか?

6)筆記の合格ポイントはここです

7)通信講座の紹介

8)ステップメール講座

9)質疑応答

10)合格して活躍して下さい

以上です。

場所の地図は以下の通りです。

八重洲口ですが、会場は「東京駅」です。

八重洲通り」ではありません。

説明会に参加された方は、ステップメール講座の割引があります。

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航空機事故は、印象が大きい:テネリフェの悲劇

1977年3月27日17時6分(現地時間)、スペイン領カナリア諸島テネリフェ島にあるロス・ロデオス空港の滑走路上で2機のボーイング747型機同士が衝突し、乗客乗員合わせて583人が死亡しました。死者数においては史上最悪の航空事故であり、死者数の多さなどから「テネリフェの悲劇 / テネリフェの惨事 (Tenerife Disaster) 」とも呼ばれています。

 

私は、この事故の関する記事をこれまで2回書いています。

2013年3月27日

takumi296.hatenablog.com

takumi296.hatenablog.com

なぜ2回も取り上げたかと言うと、1つは、大きな事故だからです。でも、もう一つ理由があります。それは、お粗末なヒューマンエラーが根本の原因だからです。

これまで2回も取り上げましたが、今回は3回目と言うことで、別な視点も加えてこの事故のことを取り上げます。場所は、アフリカ大陸の左隣、地図で見ると以下の場所です。

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もっと拡大すると

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観光の島ですから、景色は素晴らしいです。

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島の面積と人口は、面積は2,034平方キロメートル、人口は90万人です。

参考までに東京都の面積は(2,190平方キロメートル)。

大阪府は、(1,905平方キロメートル)。

しかし、世界遺産が二つもあります。

 

  1. サン・クリストバル・デ・ラ・ラグーナ - スペインが大航海時代に築いた美しい都市。ラ・ラグーナと呼ばれています。これが世界遺産
  2. テイデ山 - スペイン国内最高峰(3718m)。これも世界遺産です。

事故は、こんな島で発生しました。

前述しましたが、死者数は、583人、生存者は乗客54人と乗員7人です。

何しろ、ジャンボ機同士の衝突ですから、こんな大事故になったのです。

 

パンアメリカンパンナム)航空1736便は、ロサンゼルス国際空港を離陸し、米国を横断して、ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港に寄港しています。機体はボーイング747-100型です。乗客380名、乗員16名が乗っていました。こちらは、生存者が61名。
 

 KLMオランダ航空4805便は、オランダからの保養客を乗せたチャーター機で、事故の4時間前にアムステルダムのスキポール国際空港を離陸しています。機体はボーイング747-200B型。乗客234名、乗員14名が乗っていました。生存者0名。
 

 どちらの便も、最終目的地は大西洋のリゾート地であるグラン カナリア島のグラン カナリア空港(ラス パルマス空港)でした。
 

 最終目的地に近づく途中、パンナム機は、グラン カナリア空港(ラス パルマス空港)がカナリア諸島分離独立派組織による爆弾テロ事件と、更に、爆弾が仕掛けられているという予告電話(結局は虚偽だった)のため、臨時閉鎖したと告げられます。パンナム機は空港閉鎖が長くは続かないという情報を得ており、燃料も十分に残っていたため、着陸許可が出るまで旋回待機したいと申し出たものの、他の旅客機と同様に近くのテネリフェ島のロス ロディオス空港にダイバート(代替着陸)するよう指示されました。KLM機も同様の理由でロス ロディオスへのダイバートを指示されます。


 テロ事件の影響で、他の飛行機もロス ロディオスへ数多くダイハードしていましたから、ロス ロディオスは混雑しています。なにしろ、1941年開港の古い地方空港であり、1本の滑走路(ランウェイ)と1本の平行誘導路(タクシーウェイ)および何本かの取付誘導路を持つだけの規模で、地上の航空機を監視する地上管制レーダーはありませんでした。以下は、当時の空港を図で表したものです。

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 KLM機は、滑走路の反対側まで行ってから反転し離陸体勢に入りました。この時、管制官スペイン語訛りの英語で「OK・・・standby for takeoff ・・・・I will call you」と言ったのですが、濃霧の影響でノイズが多く「OK」以降を聞き取ることができませんでした。封鎖で足止めを食らい、乗務員も疲れていたかもしれません。また、これ以上遅れると連続勤務時間が一六時間を超えることになり、今日中にオランダに帰れなくなる可能性もありました。KLMオランダ航空には、クルーの職務時間の超過に関する規則があったのです。そのため、機長は遅れたフライトを急いで再開しなければならないと考えていた可能性もあります。
 

 結局、KLM機は、離陸を開始します、濃霧のため滑走路の反対側からこちらに向かうパンナム機は見えません。スロットルを上げて離陸しようと走り出したときパンナム機が目の前に現れました。パンナム機は左の誘導路に逃げます、KLM機は上に飛び立って衝突を避けようとします。しかし、どちらも間に合いませんでした。KLM機はパンナム機を飛び越えようとして、高さが足りず天井にぶつかって反対側に落ちます。この衝突事故で583人の命が奪われました。
 

 KLM航空の機長は、パイロットのインストラクターでもあり、コックピットでは絶対の権力がありました。副操縦士も航空機関士もまだ離陸許可が得られていない状態なのに離陸を開始しようとする機長に異議を唱えることができません。命に関わることなのにです。憶測ですが、この機長はいつもシミュレータで訓練を指導していたのですが、そこでは管制官とのやりとりはありません。そのため、すぐに離陸する癖がついていたということも考えられます。

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生存者がいないのは、KLM機です。こちらは、10メートル程度ですが、飛び上がっていましたから、その高さから落ちたことになります。

パンナム機は、機体の真ん中あたりに体当たりされましたので、機体の先頭にいた機長などは助かっています。

 

この事故の後、管制室とパイロットのやり取りに関する言葉は厳格に決められ、それを遵守するように法改正が行われましたが、実際には守られていません。

その証拠に、2008年2月16日に新千歳空港で2機の航空機(747とMD-90)が滑走路上でニアミスするというテネリフェ事故と全く同じ大惨事寸前の状況が発生しました。

新千歳空港は、 航空自衛隊千歳基地と隣接しています。そのため、管制は航空自衛官によって行われています。本事例の管理官は当時25歳でしたが、調査時のインタビューではテネリフェのジャンボ機どうしの衝突事故を知らないといったそうです。

しつこいですが、テネリフェの衝突事故時の管制官は、tandby for take off (離陸に備えよ)”と言ったのが、機長は離陸許可に聞こえてしまいました。

そのときの事故以来, Take offは離陸許可以外に使わないことが勧告されました。しかし、航空自衛官には伝達されなかったようです。

こんな事故は、何時また起きるか分かりません。

 

 

 

 

ハラールとハラーム:異文化の理解はできるのか?

これも以前取り上げました。

インドネシアの味の素事件です。

 

以下は、

cilsien.info

から

インドネシア味の素事件(2001年)

 2001年1月、インドネシア味の素のうま味調味料"AJI-NO-MOTO"がハラル認証を受けながら、認証後に発酵菌の栄養源を作る過程で使用する触媒に豚から抽出した酵素が使われていたことが判明し、現地日本人社長を含む数名が逮捕された事件。
現地の味の素は東部ジャワ州モジョクルトの工場の一時的操業停止と商品の回収を実施。一部のイスラム教は「味の素はイスラム社会をだました」と工場前で訴える騒動も起きた。
 味の素は「ハラルの基準を満たしていない商品に、認証マークを添付してはならない」とする消費者保護法違反に問われた。
 事件の背景にはインドネシア内で反政府の動きもあったのではないかとも言われたが、認証を受けた直後の原料変更で、その成分を把握していなかったことや、その変更を認証機関に報告せず認証マークを付け続けていた味の素のイスラム教戒律に対する認識の甘さに課題があったと思われる。

 なぜか、この事件の事をグーグルで検索すると、私の記事がトップで表記されてしまいます。

たいしたこと書いていないのですが、日本側の関係者だった人と知り合ったのがきっかけで書いてアップしました。

takumi296.hatenablog.com

イスラムは宗教に関して厳格です。私は、誕生したのがキリスト教より600年後だというのが、原因だと思っています。言い換えると、宗教的に若いのです。若いから元気がある、真面目、ストイックなんだと思っています。

600年前なら、キリスト教だった魔女裁判をやっていました。

 

ところで、ハラールとハラームですが、簡単に説明しましょう。


インドネシアは、国民の90%近くがイスラム教徒です。彼らは、豚肉は食べませんし、酒類は飲みません。さらに、ラマダン(Ramadan)の聞の1カ月は日の出から日没まで断食をします。厳しい戒律がある彼らには、食べ物に関しても配慮が必要です。

東京オリンピックの時には、世界中から大勢のイスラム教徒が観光に来るはずです。っもしかしたら、イスラム教徒と知り合いになるかもしれません。

また、このブログを読んでいる人で、食べ物を扱っている人がいるかどうか分かりませんが、ビジネスチャンスです。日本人は、このハラールとハラームについてほとんど知りません。今から備えて準備すれば日本に来たイスラム教は皆さん揃って、あなたのところに食べに来ます。または、食べ物を求めに来ます。

(私の住む埼玉県坂戸市にも駅の近くに、ハラール認証を受けたお店があります。)


そのなかでも特に重要なのが「ハラール」と「ハラーム」です。イスラム教で口にすることが許された食品がハラールで、禁止されている商品がハラームと覚えておけばよいでしょう。ハラームというと豚肉が思い浮かびますが、それだけではありません。

豚、は虫類、昆虫類およびそれらからできた副産物、さらに古くからの作法にのっとって屠殺されていない牛、羊、鶏なども含まれます。

味の素の事件は、豚から抽出した酵素を触媒に使っただけです。

豚肉を食べさせた訳ではありません。

イスラム教徒にとって、ハラールであるかないかの区別は非常に重要なものです。イスラム教徒に対してハラールでないものを提供するということは、腐ったものを出すのと同じことを意味します(あるいは、もっと悪い)。
そして、彼らが食べられるように一定の作法で加工や調理した食品がハラール食品で、あり、独自の認定機関で認証マークが付与されます。

 

とても親日的な人が多いインドネシアです。2億の人口を抱えた途上国はこれから発展します。ビジネスパートナーとしても大切にしましょう。

また、日本人は、食べ物の禁忌という考え方に慣れていません。「なんで?」と思う人が多いはずです。ですから、本質的な理解はできないでしょう。

でも、理解できなくても知ることはできます。

そもそも、日本だって昔は食べ物の禁忌たくさんあったのです。不思議ですよね、餓死者がでるような時代には、食べていけないものが多くあり、食べ物があふれる時代には、食べてはいけないものがないのです。

 

 

 

 

 

 

服装というもの

So may the outward shows be least themselves: The world is still deceived with
ornament.

時として外見は実体とはおよそかけ離れているもの。
世間はいつでも上面の飾りに欺かれる。
ベニスの商人」第3幕2場

シェイクスピアの台詞です。

この場面は、別にお洒落の話でもありませんし、着るものの選び方を説いている訳ではありません。唐突でしたが、私の好きな場面でしたので引用しました。

 

靴のことから初めて、ネクタイやワイシャツまで、ここに色々書きこみました。

最後はやはりスーツのことを書かなければならないでしょう。ですが、せっかくですから着るものに関する考え方もアップしておきたいと思います。

私も30代半ばまでは、着るものに関して無頓着でした。仕事上、スーツはある程度必要でしたが、毎日着ることはありませんでした(今は、ほぼ毎日着ています)。

ですから、1年に2着、ボーナスの時に1着づつ購入すれば良かったのです。

靴も基本的にラバー底のものでした。また、面倒なので紐靴は履きませんでした。しかし、ある時、自分の全身が写っている写真を見て「なんだこのみすぼらしい恰好は?」と思ったのです。40歳になる直前くらいだったと思います。

すでに若くはありません。若い時は、ジーパンにTシャツでもそれなりに見えるのですが、年を取るとそうは行きません。

愕然として考え方を改めました。

とは言え、それまで服装のことなど考えたことがありません。お洒落について考えてもセンスがありませんから、どんなものをどのような場所で着れば良いのか分かりません。少し困りました。

また、それまでは、スーツも「紳士服の〇〇」のようなお店で購入していました。当時、そのような店では、客の話を少し聞いてサイズを合わせて売るだけでした(今は、知りません)。

そこで、百貨店の紳士服売り場に行きました。今でも覚えていますが、紳士服売り場を適当に見まわし、一番格好良く見えるマネキンのスーツをセットで購入しました。店員さんに「これ、そっくり全部下さい」と言ったのです。

つまり、スーツ、ワイシャツ、ネクタイ、ベルトのワンセットです。10万ぐらいだったと思います。メーカーは、オンワード樫山の「五大陸」でした。

私は、池袋発東武東上線の住民なので、池袋の東武百貨店5階紳士服売り場の『五大陸』です。

この時の店員さんが、実に良い人で私の注文に驚きながらも、サイズを揃えてくれて、さらに色々と教えてくれました。すっかり気に入った私は、その後5~6年の間スーツは全てその店で「五大陸」ブランドを購入しました。正直の話、英国スーツとイタリアスーツの違いなどもその頃知ったのです。

また、それまでワイシャツは常に真っ白のものばかり着ていましたが、日本人には、薄めのブルーの方が合うと言うことも教わって知りました。日本人にはと言うより、黄色人種にはと言った方でが良いでしょう。今では、ほとんどのワイシャツが薄いブルーです。

繰り返しますが、私は、自分の服装センスを信用していません。ですから、クラシックスタイルに決めています。これなら、ルールがあるからそれを守ればよいのです。また、長い間に、広く世の中に馴染んでいます。奇異に見られることもありません。

そもそも、私にとってお洒落とは何かと言うと、周りの人に不快な思いをさせない、逢った人に失礼にならない恰好です。そう思っています。ファッション誌に出てくる恰好がお洒落ではありません。もちろん、そんな恰好が板についている人はそれで良いのです。

私は、そうではありませんから、伝統的な恰好をするだけです。

 

 

 

 

 

 

 

ワイシャツの基本

ワイシャツは、スーツの下で動きます。ですから、スーツの動きに合わせて動くワイシャツは、着心地が良いのです。

着心地の良いワイシャツは、長時間着ていても、身体が違和感を感じません。素材には十分拘った方が、良いと思います。

 

日本では時々、半袖シャツにネクタイを締めて、上着を羽織る方もいますが、あれは反則です。加えて、これも日本では多いですが、ボタンダウンのシャツにスーツを着るのも反則です。とは言え、あまりに多く人がボタンダウンにスーツを着ています。そのため、だれも変に思わなくなったと言うのが正直のところでしょうか。

ボタンダウンのシャツは、元々、スポーツをするときに襟を固定させたいと言うアイデァから生まれました。ですから、フォーマルなスーツの下に着るべきワイシャツではありません。ブレザーなら大丈夫です。ブレザーは、スポーツ用ジャケットですから、ボタンダウンのワイシャツと合うのです。

当然のことながら、冠婚葬祭でボタンダウンのワイシャツは不可です。ビジネスなら、業界によると思います。

私は、カジュアルな場所以外ではボタンダウンのワイシャツを着ることがありません。また、ボタンダウンの場合、襟のボタンは外してはいけません。これも重要な反則です。ネクタイを締めなくても、襟のボタンは必ず締めることです。

次に、襟の高さです。首の長さは人により多少異なりますが、日本人の場合、概ね40~45ミリで合うと思います。スーツを着たときに、後ろから見て15ミリ程度、見えるのが一番綺麗に見えます。

また、正面から見たとき、襟の開き角度は、150~160度が綺麗に見えます。

前回も書きましたが、私は、襟先を丸くするラウンドというスタイルの襟が好みです。これが丁度そのくらいの角度になっています。

日本のオーダーシャツは、普通に注文すると、この角度が狭いようです。いわゆる「ワイド」で注文しないと、150度なんてなりません。レギュラーだと90度以下のものがザラにあります。

Vゾーンの重要な部分ですから、購入の時は気にして下さい。

テーラーフクオカでも、下の写真は「ワイドスプレッド」です。

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「レギュラー」だと以下のような開き具合

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例えば、テーラーフクオカ以外でも、LaFabricでは、

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lafabric.jp

見て頂ければわかります。

デザインのディテールに関しては、人により好みはあるでしょう。

私は、自分のセンスに自信がないため、クラシックなスタイルに拘っているだけです。クラシックなデザインは、型が決まっていますから、それに従えばできあがりです。あれこれ、悩む必要はありません。また、フォーマルな席でも、失礼なことになりません。

ワイシャツのオーダーメードは、通販でやっているところもあります。しかし、これは自分で測定しなければなりません。少し無理があります。せっかく作るなら、お店でプロにしっかり測定して貰いましょう。

サイズが身体にフィットして、素材がよければこの上ない着心地のワイシャツになるはずです。

 

 

 

 

接近するオーストラリア、日本にぶつかるのは何時?

 

1994年のGPS測定から22年経って調べてみたら約1.5メートル(150センチ)北に移動していました。

オーストラリアがいずれ日本にぶつかるのは、30年以上前から言われていました。

しかし、その移動速度は予想よりも早かったようです。

それにしても、世界で6番目に大きい大陸が1年で7センチも動くのです、大陸移動説が当初受け入れられなかったのも無理はありません。

とは言え、20年で1.5メートルですから、20,000年で1.5キロメートル。2,000万年で1500キロメートルです。日本とぶつかるのは、5000万年後ぐらい、人類が生きている可能性すら低いです。ただし、そのずっと前に(500万年後ぐらい)インドネシアにぶつかります(これでも、人類はいない?)。

振り返って昔を考えると、オーストラリアに人類が住み始めたのは4万年前ぐらいです。ですから、その頃から考えれば、すでに3キロメートルも北に移動したことになります。

人間の脳は実に様々なことを考えたり、抽象化したりできますが、地質学的な長期のスパンを考えることはできないようです。もちろん、私もできません。5000万年後と言われても、5000万年が分かりません。「長い時間?」ぐらいしか頭に浮かばないでしょう。

恐らく、地球の気候変動に対して具体的なアクションを起さないのもそこにあると思います。2100年になると、地球の平均気温は〇度上昇すると言われても、何も考えが浮かびません。

そんなことより、来月の支払いが重要だし、来年の受験が大事です。5年後に迫った定年の後、どうやって生活するのかそちらの方が気になるのです。

私たちのDNAは、将来に備えて進化してきたのではありません。その時、その時の状況の中で、その環境に適応して生き延びてきたのです。38億年そうやって生きてきたのですから、いまさら変えられないでしょう。

「5000万年後に、オーストラリアは日本とぶつかる? じゃ、何をすればいいんですか?」

今のところ地熱発電にはあまり期待しない方がよい

メルマガ:ダイヤモンド・オンライン
16/9/28号に以下の記事がありました。

diamond.jp

正直言って、現在の地熱発電は効率が悪過ぎます。

エネルギー庁が公表している資料から蒸気量と発電量の比から、日本の地熱発電所の平均発電熱効率を求めることができます。その効率はなんと、15~20%の範囲です。このため発電量の4倍以上の熱が地上に放出されます。殆どの地熱発電所は山中にありますから、冷却手段は冷却塔を用いるしかありません。大規模なものを作ると、周辺が蒸し暑くなるでしょう。

また、これは原因不明ですが、ほぼ全ての蒸気井戸は数年で出力が落ちます。ですから、どこの地熱発電所でも、数年毎に補充井の掘削を実施を実施しています。平均して 3.1年に 1 本の頻度で掘削しているようです。しかし、その補充井を掘削したとしても、ほとんどの発電所が所定の出力を維持できていません。実際、年間発電電力量は2012年のエネルギー白書によると1997年の37.57億kWhをピークに2010年には26.32億kWhと30%低下しています。

なにしろ、今では地熱発電所を観光名所にして副収入をあてにしています。

政府の予算も、1985年をピークに2003年には予算ゼロまで落ちました。

よく、地熱発電のデメリットとして、設置場所が国立公園の中になる場合が多く、制約条件が厳しいと言います。しかし、そんなことより、今の技術では効率の悪さと、出力低下を何とかしないと大きく普及させるのは難しいのです。国立公園内に設置されるのは、水力発電のダムなども同じです。

私は、日本で地熱発電を普及させるなら「高温岩体発電」しかないと思っています。
これは、天然の熱水や蒸気が乏しくても、地下に高温の岩体が存在する箇所を水圧破砕し、水を送り込んで蒸気や熱水を得る方法です。この方法なら、温泉と競合もしません。


日本の場合は、この温泉との競合が一番のネックになっているのです。ようするに、地熱発電ができるところは、温泉地帯です。発電用に蒸気をどんどん使えば温泉が枯渇するのではないかという不安です。これを回避するには、地下の水(温泉?)を使わない、「高温岩体発電」しかないと思います。

要するに、地下の熱源で注水した水を蒸気に変える訳ですから、これなら温泉も枯渇しないでしょう。もちろん、成分に影響が出るか出ないかは、今のところ分かりません。

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ただ、「高温岩体発電」は、今のところ技術的に確立されていません。

現時点の課題として「地震の誘発」と「注入水の確保困難」も指摘されています。
スイスのバーゼルでの事例では注水により地震が誘発され、その地震により約900万ドルの物的損害が発生しています。この事故では、プロジェクトは中止され開発企業の社長が起訴され裁判にかけられました。加えて、注入した水の回収率は80%以上でなければ実用化に影響が出るとされています。

 

地熱発電は、太陽光や風力と異なり、24時間稼働可能です。メンテナンスを除けば、常に発電できる自然エネルギーは、水力と地熱だけです(細かなものは除きます)。

国内の地熱発電所は、70%程度の稼働率です。先進国では、電気は常に必要です。天気の良い時だけ、工場を動かすという訳には行きません。風力も同じです。ですから稼働率の高さは地熱の魅力です。

しかし、詳しく調べて行くと、やはり問題は山積みです。

何とか、この問題を解決できる技術を考え出し、日本のエネルギー状況を明るく変えて欲しいと思っています。